アンナ・カレーニナが全然進まないのに

吉川英治を読み始めてしまった…


歴史小説はあまり読まないのだけど

吉川英治は日本語のつなぎもよく

スラスラと進む


昔司馬遼太郎な太閤記を読んだけど

最近読んだ信長協奏曲が強烈で

登場人物の顔が固定されてしまった笑


印象的な部分を抜粋しておきます


「彼には常に(食物は、どこにでも得られるものだ。人間には天禄があるから)という信条と(鳥獣にすら、その天禄がある。けれど、人間たちは、世のために働けという天のご使命をうけている者だから、働かないものは、喰えないようにできている。だから人間は、喰うためにあくせくするのは恥辱で、働きさえすれば、当然な天禄が授かるのだ)と考えていた。だから彼は飢えると、食う食慾より先に、働くことを先にする。(中略)頼まれないでも、彼は仕事を見つけ、仕事を作り、仕事を誠実にするので、一椀の食物や、一銭のわらじ銭くらいは、必ず人が報いてくれた。恥とは思わなかった。なぜなら彼は、喰うために、牛馬のごとく身を卑しめたとは思わないのである。少しでも、世のために働いたので、当然な天禄をもらうのだと、信念していた」


考えさせられました

昨今多くの人がするように

この一見時代遅れに見える考え方に対して

こうじゃ〜!と論破できない

深み

があると思います


こういう、読んでから思考に耽ることのできる本は

いつまでもベストセラーですね

最近の本は辛い苦しい悲しい部分にスポットをあてて

読後の思考を促す傾向があるように思えますが

私が読む本がたまたまそうなのですかね