女性は男性によって成長させられるとよく言います。
確かに、ビジネスや恋愛、生活において、男性との関係で学ぶことはとても多く、非常に有益なものです。

しかし、女性同士の視線というのは、男性のそれよりもっとシビア。話題の質からファッションやメイクまで、微に入り細を穿ってチェック。下手な男とデートするよりも女性同士の集まりの方が気合をいれるという方も多いのでは。

ひるがえって、男性同士は「ま、あいつはああいうヤツだから」と、ある程度のことはゆる~い目線で相手を受け入れる傾向にあります。
私なんかはオトコを視界に捕らえるやいなや、装備しているスカウターで、瞬時に爪の長さから靴下の色までチェックするという下世話なマネをして「ああ~もったいない!!」と思うのです。

持って生まれた素材の良さが重要視されがちな女性に比べ、男性は服装や髪型、そして、オンナ受けする「ちょっとした気遣い」をするだけで劇的にモテ度が変わるのに!!
でも、誰も教えてはくれないし、気づき、学ぶ機会も少ない。
では、男性は「男スキル」を一体どこで磨けばいいのでしょうか。

たとえばレストランにて。
お店のチョイスから、TPOをわきまえた小綺麗な服装、さりげないエスコート、メニューの選び方、スマートな支払方法まで、男スキルの問われるシーンの連続です。
美味しい食事を楽しむ場のはずが、場慣れしない男性にとっては手に汗握るテストの場となってしまいます。
女性同士がしゃれたイタリアンで食事するシーンは日常的でも、男性二人がキャンドルを挟んで向かい合うシーンは非日常そのもの。
そう考えてみても、女性は日々成長する機会に恵まれていると思います。

自分の欲望に忠実な女性達は、幾多の男性を見て築き上げた「理想のイイ男像」を持ち、女性同士での切磋琢磨を経て体得した豊富な経験や知識を持っています。
それらを男性にフィードバックできるのは言うまでもなく女性。
男性が自分自身ではわからなかった魅力に気づかせ、男として成長させられるのは女性なのです。

我が家の主人の成長も、目覚しいものがあります。
知り合った頃の彼は、一人暮らしの経験もなく、すべての家事が初体験。それが今や、洗濯機を回しながらベッドメイクをし、ごはんを炊いて、残業で帰宅の遅い妻を待つようになりました。

主人にとっては「結婚生活」というよりは「ブートキャンプ」であり、「男スキル」というより「主婦スキル」に、絶大な効果があったようです。そしてこれは「成長」というよりは、いかに私好みに仕立て上げるか、というような気もします。
干された洗濯物を見ながら、私は一人「VICTORY!」と叫ぶのでした。