今日は大学生が科学的な見方に対する哲学的な考え方についてお話ししたいと思います。

まずは科学的な見方について、端的にお話しします。科学的見方の典型的な立場は物理主義と呼ばれる立場かもしれません。例えば、ヒトが今あなたの目の前にいたとします。物理主義によるとそれは電子の集合であり、さらに言えば素粒子の集合体だとみることができます。

私は別にこれが間違っているとは思いませんが、ドイツの天才マルクスガブリエルが言うようにそれはある一つの対象領域にすぎず、人間の観点と科学の観点ではそもそも対象領域が異なるのです。

かつてハイデガーという人が「物」という講演の中で、甕を例にとり次のような説明をしました。すなわち、科学的な見方では甕という「もの」の本質が失われると。これはとても簡単なことで、科学によれば甕は単なる液体を入れる入れ物にすぎませんが、甕を甕たらしめる本質は違います。酒をまつったり飲んだりすることにより甕たらしめると彼は言います。

このように科学の見方はある一つの事実を発見するためには有効かもしれませんが、それがイコールですべての対象領域における事実を見つけたことにはなりません。

僕がお伝えしたいと思ったのは人間には人間独自の物の見方あるという事です。それを大切にすることが我々を人間たらしめる一つの要素になるのではないでしょうか。