321 日御碕に泊まる

 レトロな温泉街を満喫、石見神楽の余韻を感じながら本日の宿泊地日御碕を目指す。出雲駅を下車し、一畑電鉄バスで出雲大社へ。そこでバスを乗り換え島根半島西端の日御碕へ。途中遥か遠くまで砂浜が連なり思わず絶景に息を飲む。宿の主人の言付け通り、途中の停留所で下車。周りに宿と思しき物なし。電話するも留守電。仕方なく荷物を抱えて神社の方へ。交番でみちを聞くが新任警官で要領を得ず。再度宿に電話し迎えにきてもらう。寂しく人気のない所に案内される。いじわるな若い女が応対する。早々と海鮮弁当を食べて就寝する。翌朝、主人の車で日御碕灯台へ。そこへ選挙候補が大勢のスタッフを連れてやってくる。一人の出迎えが応対するも日曜日なのにお店は全てシャッターを下ろしている。観光客は私一人。候補者は気が抜けた様子である。地方の寂びれを思い知ったか!次のバスまで3時間、ここで時間を潰さなければならない。コロコロを押して遊歩道を海岸へ。目の前に荒れ狂う日本海の海が現れる。沖には白波。白い漁船が木の葉のように翻弄されながら沖を遅遅として進まず。

時間はたっぷりある。石のテーブルに強風を受けながらも横になる。30分位して温度計を見ると12℃。すっかり体が冷え切ってしまった。慌てて遊歩道を歩き始める。若い女性の二人連れにあったきり、だれにも出会わずに散歩は終わりを告げた。バス停前のお店で出雲ぜんざいを食べながら時を潰す。

(令和5年4月2、3日)