307 熊本のハンセン病収容所で人体実験

 

 令和4年12月5日の熊日新聞の第一面に驚愕した。熊本にあるハンセン病収容施設の菊池恵楓園で陸軍依頼により戦時中から戦後にかけて人体実験が繰り返されていたとのこと。9名の死者を出し、その中には激痛のためもがき苦しんで死んだ収容者の生々しい例が記されていた。また収容者の人体標本を目的もなく無断で医者が作っていたとの記事もあった。ナチスドイツ時代のドイツ医学会が優生保護の理由で組織的に知的障害者等を焼却処分していたことを想起させる事件である。あまりの残忍さにヒットラーも中止を命じた程であったという   ハンセン病患者に組織的に人体実験を施していたのは全て京大医学部教授と同学部卒業の恵楓園園長ら3人(宮崎、鈴江、波多野)が実行していた。  

 満州での731部隊による生物兵器の人体実験も実行主体は京大医学部である。人の命を助け世に仲の役に立つのが医者の使命と思っていたが、京都大学医学部はどうも違うようである。エリートが弱いものを虫けらのように扱った下劣な事件である。建学の理念のようなものは存在しないようだ。

 熊本では明治時代から英国婦人が本妙寺の参道に集まったライ病患者を哀れと思い必死で彼らを助けた慈愛に満ちた歴史がある。ハンナリデルとライト女史。ハンセン病患者への断種政策といい、日本という国は後ろから鉄砲玉の飛んでくる国と確信した。(令和4年12月8日)