302 南仏滞在(その2)

 今回のSC21アルル会合では私には大きな役目があった。WG4のコンビーナ(議長)をIBMのK氏からNTTのM氏に交代させることを総会に諮り決議する必要があったのだ。従って事前に入念に準備した。SC21国内委員会の代表(HODC)として推薦演説しなければならない。原稿を準備して総会に臨んだ。議長交代の発議はうまく運んだ。「あんたの英語は自然だった、とても原稿を読んだとは思えない」と褒めてくれる人もいた。しかし、質疑はあまり覚えていない。いずれにせよ交代はオーソライズされた。東大のT教授が恨めしかった。実はアルルに出発する直前にHODC(日本代表)を代わって欲しいとT教授に頼まれたのだ。別の学会と重なったからということだった。

 ドイツ代表のシーメンスのK氏「ソウルから一年でHODCかい。随分出世したね!」と喜んでくれた。この方は何かと私に教えてくれた。英語をミスした時直してくれたりもした。奥方は日本人だそうな。大事が終了した次の土日にカルカソンヌに一泊で出かけた。フランス人は「カルカソンヌを見て死ね」というそうだ。壮大かつメルヘンチックなお城が駅から遠望できた。お城の城壁ツアーに参加した。お城の廻りを廻った。お墓がたくさん。宿は城内の洞窟宿に泊まった。夕食に子ウサギの料理と1Lのワインを平らげた。至福の時であった。(平成3年6月)