293 奥鬼怒の露天風呂

 日光の奥に奥鬼怒温泉という秘湯があるという。ある時、職場の仲間を誘い行くことにした。快諾してくれた大阪から長期出張で来ていたN,Kの両氏を合わせ3人で武蔵野通研を出発。奥鬼怒の手前の駐車場で宿の迎えのバスを待つ。橋の上から下のホテルのプール?を眺める。なに!素っ裸の男女が歩きまわっているではないか!露天風呂であったのだ。

 やがて宿のバスが温泉に連れていってくれる。加仁湯といった。三笠宮の皇士ご愛用の離れを見せてもらう。野性的な離れ。さっそく3人で川の中の露天風呂に。二人の若い女の先客と一緒に湯につかる。やがて内湯に移動する。始めは前をタオルで隠していたが何だかアホらしくなりブラブラさせながら宿の窓の前を堂々と歩く。見たい方はどうぞご自由に!

 食事は山奥なので余り期待できない。鹿の冷凍肉が珍しかった。色んな露天風呂にお邪魔したが、素っ裸の解放感は何とも言えない。しかし、修善寺温泉の川のど真ん中の東やの如く、衆知の真ん中で素っ裸になる勇気はない。やはり人気がない所に限る。

(昭和63年10月)