測量機のトレサビリティーについて | 「そっきや」がぼちぼち書く ブログ

「そっきや」がぼちぼち書く ブログ

中古測量機の入荷状況や、測量機に関する情報を地味にお届け!

皆さん、こんにちわ!

梅雨空が続いていますね。

被災地の九州地方では土砂災害の危険性も高まっているようですので、充分にご注意ください。

さて、今日は「測量機のトレサビリティー」について少し書いてみたいと思います。


そもそも「トレサビリティー」とは?

流通の分野に於いては「追跡可能性」と訳され、物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態をいうそうですが、測量機の分野では違います。

”ある測定結果が必要な精度を満たすために,その測定機器の校正手段が,国際標準や国家標準などに対する連続した比較校正の流れの中に位置づけられていること。”(三省堂 大辞林 引用)

要は、その測定の結果が「国際標準・国家標準」とどの様に繋がるのかを示すことのようです。



では、測量機のトレサビリティーとは?

弊社は一般社団法人日本測量機器工業会(以下JSIMA)の校正・検査事業者認定を受け、JSIMA規格を運用しております。

JSIMA規格とは、JIS規格の廃止に伴い、測量機器の業界標準として策定された団体規格です。

そこでは、トレサビリティーの大きな要素としての「距離(長さ)、角度、水平度及び鉛直度」に言及しています。

”測量機で測定する対象は距離、角度、水平度及び鉛直度である。これらのうち国家標準が定められているのは長さ(光波距離計)で、角度、水平度及び鉛直度は定められていない。したがって角度、水平度及び鉛直度はその団体「日本測量機器工業会」が容認した標準すなわちコリメータシステムによる自己校正へさかのぼることとなる。”
(JSIMA規格 測量機器のトレーサビリティに関するガイドライン 引用)

つまり、国家標準の存在しない部分に関しては各校正事業者に設備されている「コリメータシステム」と言う装置を用いた自己校正までしかさかのぼれないと言うこと、、、。

また、コリメータシステムは測定値を与えないもので校正の対象にならないので、日常点検の範囲で管理される。

この部分が、非常に解り難いところになります。

トレ

少し見づらいと思いますが、弊社のトレサビリティー体系図も左側の距離(長さ)に関する部分は上位の国家標準へ繋がっていますが、右側の角度、水平鉛直度に関する部分は被校正機から1段階しかさかのぼっていません。

JSIMA規格に準拠していない校正・検査業務に於いては、自己校正に関して担保することが非常に難しいように思います。

また、校正・検査事業者であったとしてもこの部分に関しては知識が不足している感じがします。

測量機のトレサビリティーに関して重要なのは、「明確な規格を以て校正・検査業務を行うことが出来る事業者を選択する」と言う事になりますね。

一度、校正委託業者に確認をされては如何でしょうか??


JSIMA認定 校正・検査事業者
株式会社 新和測器