
昭和30年代中葉、大規模団地の公営住宅に入居できて、新生活がはじまったが、工事が遅れていて、道路の舗装もできていなかった。
雨の日は、ぬかるみになった。通勤で、駅まで行くのがタイヘンだった。
泥だらけの靴で、都心へ行く電車に乗った。
コンクリートの4階建てが多く建てられたなかで、抽選で当たったのは、ブロック積の2階建だったが、ブロック積住宅であろうが、道が未舗装の泥濘であろうが、住宅難の時代、大喜びの2DK住宅入居だった。
家族は、この街で、昭和のある時代を過ごした。
ある時期の、泥濘の道も含めて、この街が「ふるさと」であろう。

