◎お断り◎
原作では安達としまむらの修学旅行は2日目の夜のホテルで完結しています。
福岡に泊まったという確証もありません。
なので、3日目は完全に予測…というか妄想です。あと後半は完全に趣味です。
小説(どころか安達としまむら)とは全く関係が無い一日です。
苦手な方は3日目はスルーをお願いします。
今回から39raMoonの名前が39raLunaに変わりました。
【9月29日 午前9:30 天神】
昨日の夜に買っておいたミスドのあだしまセット(エンゼルフレンチとハニーディップ)を頬張りながら、目の前の光景に呆然としている。
ホテルの床に開かれたキャリーバッグとベッドの上の物たち。
最終日の朝、帰りの飛行機を見越して荷造りをしなければ……なんだけど。
この二日間でゲットした長崎熊本福岡のお土産(ウマ娘とシエスタ)を前に途方に暮れるところからスタート。
Availのウマ娘グッズはそれほど嵩張らないからキャリーバッグへ難なく入る。
スペちゃんのぬいぐるみはリュックに押し込んだら入った。
そしてシエスタ……。困った。
眺めてても事態は進展しないし、なにより10時のチェックアウトが危ない。
齧ってるハニーディップみたいに甘くはないか。
とりあえずキャリーバッグに入れて飛行機に乗せられるように試行錯誤してみる。
家に帰ったらどうせ箱から出して飾るんだから、この際、一番嵩張る箱の中の緩衝材?はここで破棄して厚みを減らしてみる。
ただいかんせんフィギュア。破損してしまったら目も当てられないからここは自前の緩衝材を考えてみる。
合理性を考えたら、着替えに包む。という結論に。
そして最終日。3泊分の洗濯待ちの着替えしか残ってない。
「背に腹はかえられないしなぁ」
……ごめんシエスタ。ちょっと我慢してくれ。
とりあえず、使用済みの下着と靴下だけは別のポーチに移して、最大限配慮はしたつもりだ。
キャリーバッグの詰め方を考慮して、なんとかお土産を全部押し込め、家に着くまで開けなければなんとかなる状態までもっていけたところで妥協する。
空港の荷物検査で開けられないことを切に願おう。
そしてもう一つの問題。
「福岡って言ったら何?」
39raLunaに聞いてみる。
そう、3日目はノープランなのだ。
「大宰府?」
「あぁ、学業の神様か。修学旅行で行きそうだよね!」
そういえば昨日、高速道路で通ったことを思い出した。
そんなに遠くないし。
「よし行ってみよう!」
カードキーをボックスへ返却するだけのいとも簡単なチェックアウトを済ませて、ホテルから少し離れた駐車場へ向かう。
ボクが先導する形でキャリーバッグを引っ張りながら大通りの交差点を目指す。
「ところでさ39raLuna、駐車場ってこっちだっけ…?」
「え?」
スマホで地図を確認して引き返すのだった。
【11:10 太宰府天満宮】
昨日までのはっきりしない天気とは打って変わって、突き刺さるような日差し。
半袖のTシャツ1枚でも湧き出す汗。
もう9月も終わるというのに、どこ行った?秋。
最初の鳥居をくぐるとやたら目力の強い牛に出迎えられた。
「僕は入社後の試験に合格できるように」
「おお、なるほどね」
39raLunaは入社後もなんか大変そうだった。
さてと、ボクはどうしたものかな…。
「そうだ。あだしま民のフォロワーさん、学生の人も多いからなぁ」
財布に入っていた5の数字のつく硬貨を全部お供えして、仲良くしてくれてる学生フォロワーさんの学業成就をお祈りした。
北海道の某ゼミナールの校長になった気分だ。もっともここは四国じゃないし八十八カ所どころかここ一個しか巡ってないけど。
でも旅の過酷さで言ったら同等だしね。多分。
「よし、お土産みよう!お土産!」
天満宮をちょろっと散策してさらっと参拝を終えたボクたちは、駐車場に車を停める時から参道の数々のお土産屋さんが気になっていたのだ。
梅とあまおうという苺が名物らしく、これらの名前が入ったお土産を置いている店が多い。
残念なことに苺は旬じゃないし、さらに残念なことに梅には全く食指が動かない。
それでも数多のお店を見て回るのはそれだけで楽しめる。
はちみーを売ってるお店もあってテンションが上がったけど、ボクははちみつが食べられない。
だからきっと100m走もタイムが遅いんだと思う。
「風情だね」
「うん、風情だね」
風情という言葉を使いたいだけで風情のない会話だった。
その風情をカメラに収めて、次の目的地を決めるんだけど。
「お昼さ、せっかくだから行きたい所があるんだけど。そこで食べない?」
「どこ?」
「サービスエリア」
39raLunaもピンときたみたい。理解が早い子は嫌いじゃないよ!
【13:20 古賀サービスエリア】
提案したとおり、サービスエリアに車を停める。
青春ブタ野郎シリーズ2作目のヒロイン、古賀朋絵の名前の由来になったサービスエリア。
ここだって立派な聖地なのだ。
駐車場からの階段を登って建物の外側にある飲食店を一通り見てから中のフードコートも見てみる。
サービスエリアの飲食店ってどうしてこんなに魅力的に見えるんだろうね?
さんざん迷った挙句、せっかく九州にいるんだからということで、佐世保バーガーを買ってみた。
よくよく考えたらここ福岡県じゃん。長崎には昨日も一昨日もいた気がするんだけど……。まぁ、いっか。
食欲もオタ欲も満たしたボクたちは、再び博多へ戻ることにした。
【15:15 JR博多駅】
【18:50 福岡空港】
目の前のモニターが現在の飛行位置を示している。
兵庫県上空。
「あ、今あのフォロワーさんの住んでるあたりだ」
奈良県上空。
「あ、あのフォロワーさんがいる」
三重県上空。
「サーキット」
そんな他愛もない会話をしているうちにセントレアに到着する。
到着ロビーでキャリーバッグを引き取り、最後の記念撮影をした。
「じゃぁ次はサンフラだね」
途中駅で乗り換える39raLunaを見送って、長いようで短かった、安達としまむらの修学旅行というボクたちの修学旅行も終わったのだった。
ひとりになって地元へ帰る電車の中、この三日間を振り返り、虚無感に包まれているボクのイヤホンからはフォロワーさんたちが会話してるスペースの声。
なんだかんだで疲れた身体には心地よいラジオ代わりの音声。
このまま家へ帰って思い出とともに眠れたら幸せだ。
【23:00 最寄り駅の3つ手前の駅】
なぜか途中下車してTwitterのスペースの会話に参加して、修学旅行の報告をしているボクだった。