療養に役立つ血糖測定1~5まではいかがでしたか?
今回から数回に分けて、自己注射している方向けの内容をお伝えしていきます。
1回目はインスリンボールについてです。
まずはAさん(1型糖尿病歴40年)の自己管理ノート(SMBG①)を見ていきましょう。
SMBG:①をみると夕食前に数値が2桁になることが多く、Aさんといろいろお話していくと、昼のインスリンだけは左手に打っていることがわかりました。写真①の写真から両腕のサイズが違うことがわかりますよね!これがインスリンボールです。
以前は腕だけに注射しており、仕事を退職して自宅にいることが多くなってから腹部に打ち始めたそうです。
Aさんにインスリンボールには注射しないように伝え、後日自己管理ノートを拝見するとSMBG②のように夕食前に2桁の数値がなくなっていました。
Q:インスリンボールって何?
A:同じような場所に繰り返し注射すると、写真のようにボールのような柔らかい腫瘤が形成してしまいます。インスリンポールの場所に注射をすると以下のようなことが生じて、悪循環になります。
① そこに刺しても痛みが生じないため、ついつい反復して繰り返し打ってしまう。
② 注射の吸収が変わってしまうため、変な時間に低血糖を起こす。
③ 必要なインスリン量が増える。
あなたもこのような皮膚になっていませんか?(いくつかインスリンボールの写真を紹介します)
<<インスリンボールを作らないための対策例>>
・毎回、注射場所を変える。(注:左右交互と同じような場所に注射する傾向にあります。)
・腹部の場合は、時計周りに0時方向から右回りに一回り毎回変更していく。
・時々、観察しましょう(腹部なら左右差はないか、500円玉くらいのふくらみが出来ていないかなど確認)
・注射ローテーション表のご用意があります。必要な際は、看護師にご相談ください。
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