伊藤康英氏を迎えて定期演奏会を開催します!(創価大学パイオニア吹奏楽団) | "Soka University, today" by Yamaoka

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創価大学パイオニア吹奏楽団では来る7月7日、オリンパスホール八王子(JR八王子駅南口すぐ)にて第44回定期演奏会を開催する運びとなりました。今回は、著名な作曲家・伊藤康英先生を客演指揮に迎えての演奏会となりました。伊藤作品の自演も2曲予定しています。伊藤康英ファンの皆様もぜひ会場にお越しください。下記のサイトで前売り券の取り置き(事前に予約して当日、前売り料金で購入)も可能です。

創価大学パイオニア吹奏楽団公式サイト

 

私は現在、同楽団の総顧問を務めており、クラブ支援の一環として研究室の前にこんなふうにポスターを掲示しています。

 

伊藤康英先生は吹奏楽、管弦楽、ピアノ曲、合唱・声楽曲など、幅広いジャンルの作曲家として著名ですが、海外でもしばしば演奏される代表曲は何と言っても交響詩《ぐるりよざ》でしょう。長崎の隠れキリシタンたちの生き様を描いた名曲で、荘厳なる聖歌に土着の民衆による生のエネルギーが加わり、聴いた者の心に鋭いくさびを打つような力強い曲となっています。オオサカシオンによる第Ⅰ楽章の音源をご参考までに。

 

 

今回の定期演奏会では、比較的新しい伊藤作品を2曲演奏します。1曲は「煌夜―祭りの幻想」(2016年)。青森の寒い冬を熱くするような幻想的な祭りの曲です。海上自衛隊大湊音楽隊による初演の音源をご参考までに。

 

 

もう1曲はある過去の伊藤作品をパイオニア吹奏楽団委嘱により完全リメイクされた2018年版の初演を行います。曲名は楽団の広報にも出ていませんので、来場されてのお楽しみということで! ヒント:壮大なスケールで平和への凱歌を歌い上げる曲です。

 

伊藤康英先生は1980年代に筑波大学吹奏楽団の指揮者を務められますが、その当時のクラリネット奏者の一人が私でした。当時の伊藤先生は東京芸大の大学院生で歳は近かったのですが、その音楽の才能にはいつも惚れ惚れしたものです。卒業後もピアノのリサイタルにおじゃましたり、たまにメールのやり取りしたりと、学生時代の延長で親しくおつきあいさせていただいていました。いつかパイオニア吹奏楽団にお迎えできたらとも密かに念願していたところ、このたび、楽団の学生たちからの願いに応じて客演指揮と委嘱作品の編曲を引き受けてくださったのです。

 

パイオニア吹奏楽団では既に数回リハーサルをやっていただいておりますが、学生たちに音楽の愉しみを教えてくださりながら、彼らの豊かな表現力、創造性を引き出してくださって、素敵なコラボレーションが生まれつつあります。大勢の方のご来場をお待ち致します。

 

それはそうと、申し遅れましたが、過日、フランスのクードヴァン国際吹奏楽作曲コンクールで伊藤先生の最新作「彼がわたしたちに語ったこと」が第3位に入賞されました。誠におめでとうございます!受賞作は“赦し”をテーマとして「平和への祈り」を捧げる深遠なる作品で心に深く響きます。歌唱には仏典のパーリ語が使われているのも特徴の一つです。歌唱曲が吹奏楽作品のコンクールで入賞するのも異例のことではないかと思います。ちょうど今日はシンガポールで代表作の一つ交響詩《時の逝く》の海外初演とのこと。作曲家、指揮者として世界的に活躍される伊藤康英先生を大学生のアマチュア楽団にお迎えできるのは大変光栄なことであると同時に、そのご厚意に報いられるよう価値ある融合と創造の一夜となることを願わずにおれません。