生命の値段
どん どん どん どん
僕の胸にも あなたの胸にも
至極当然のように響く生命のリズム
そのリズムが
消えかかっている人が居る
われわれ人間で云うところの
常識的な体温の境界を飛び越えて
想像を絶する高熱に身を焦がし
息も絶え絶え
朦朧とした意識の中で
想い馳せることといえば
愛する人を悲しませないための嘘と
浄化にも似た
感謝と懺悔
差し伸べてあげられるのは
すがるような祷りと
僅かな、ほんの僅かな金
この身を支配するのは
不運と嘆く失望か
はたまた非情なシステムへの憤りか
未だ完全では非ずとも
現代の発展の最中に
光の道が在る
しかし
命の天秤の傾きを
貨幣が左右するという現実を
ただひたすらに憎む
民主主義
自由競争社会
誰のためのものなのだ
美しい月夜に呟いても
答えは返ってこない
混沌と蠢く俗世界に
大声で問わなければならない
しかめっ面に張り手して
真正面から
切り崩す覚悟が
僕には必要だ
彼女の命が
その灯火を失くすまえに