ひとりごと!
『八ッ場ダム』
「無駄な公共事業に反対」「公共事業は無駄」
などと面白おかしく報道していたマスコミが、
ここ2週間ばかり、
『八ッ場ダム』という個別具体的な問題に焦点を当てたとたん、
「建設中止→住民の苦悩」という論調に変わった。
正直、呆れかえる。
そんなことも考えずに、いままで、
「脱ダム宣言・廃ダム宣言」などと、
報道していたと思うと、
マスコミに失望する。
公共事業は必要であるし、
全く効果のないものはそもそも存在しない。
さらに、途中まで計画が進んだものを途中で止めれば、
それまで、入念に計画されていたことへ
広い分野で影響が生じることはわかりきっている。
といっても、それでも民主党の方針を支持せざるを得ない、
と思っている。
◆1
国民から集めた税金は主に、
公共事業(工事)によって社会資本が整備されることで、
国民へ再分配されていた。
それを、今度、民主党は
「福祉」や「手当」などを通じて、
直接的に国民へ再分配する仕組みへ変更しようとしている。
社会資本整備よりも直接手当の方が、
現代日本の場合、効率よく再分配できるという意図だろう。
それは、財源が限られ、人口も増えず、経済成長も期待できず、
仕事も価値観も多様化した現在の日本には
いつか必要なことだと思う。
要するに、民主の政策の根本方針は
「優先順位の変更」なのだと思っている。
ただ、
「優先順位の高いところへ予算を回す」
ということは、裏を返せば、
「優先順位の低いところは、例え必要なものであっても見捨てる」
ということである。
「すみません、あなたがたは優先順位が低いので見捨てます」
と、言い方、やり方は違えど、そういう意味のことを宣言するの
と同じことである。
あとは、『政治』の『責任』の取り方の問題だろう。
どのように補償、償いをするのかだ。
でも、謝ったぐらいで済む話な訳がない。
◆2
土砂災害などが起こった場合、
「復旧」と称して、対策工事が行われる。
それは、砂防法ができてから変わらぬこと。
だが、対策工事には相当お金がかかる。
『不動如山 / 動かざること山の如し』
といわれている
その『山』が動くのを人間の力で止めようというのだから、
当然、お金がかかる。
談合をやめたぐらいで大幅に下がるような代物ではない。
「災害復旧は速やかに」という指示を鳩山首相は出していたけれど、
先のダムの話と両立するわけがない。
すぐに、矛盾に突き当たるだろう。
つまるところ、
「わずか数十軒の小集落を守るために数十億の金をいつまで出してくれるのか」
ということだ。
今までは、少なくとも起きてしまった被害に対しては、
ほとんど全て、対策工事を行ってきた…
だが、財政が改善する余地がない現在の日本では、
今後、手が回らなくなって行くのは明白。
そうなれば、選択肢は2つ、
①放置して被害者が出るのを待つ
(現に、山口の土石流では老人ホームが悲惨な被害にあっている)
②強制移住・避難(場合によっては『廃村』を意味する)
①は何としても避けなければならない。
そうすると、②の方になるが、
「では、誰が責任を取る?」という話になる。
国交省の官僚?地方自治体の職員?
そんなんで、納得する地元住民がいるとは考えにくい。
そういう時こそ、本来、政治家の出番だと思う。
「皆さまの故郷を奪う結果になってしまって申し訳ありませんが、
国全体を考えた場合、ここに税金を投入することができません」
と説明し、説得できる人間が必要なのだと思う。
住民の代表が選挙で公正に選ばれた政治家の必要性というのは、本来、
こういうところにあると、僕は思う。
そういう「社会の調整の仕組み」を明確化したものが法律だろう。
今現在、そのあたりの責任が明確になった法律は
寡聞にして知らない。
◆3
『八ッ場ダム』は、その象徴に仕立て上げられてしまった、
悲惨なケースだと思う。
あのプライドが高く、エリート志向のように見受けられる
前原国交相がどのように地元の人たちに頭を下げるのか、
見ものだ。
明日は我が身かもしれないと思うと、
建設関連業界に身を置く僕としては、
背筋が凍りつく。
まあ、こんな時代・こんな世界・こんな国だからと
80年代後半から90年代に育った世代としては、
受け入れる他に能がないのだが。
◆参考文献
「配慮に欠けた」と国交相陳謝 八ツ場ダム視察で
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/politics/CO2009092301000199.html
「八ツ場ダム中止は入り口」、前原国交相
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090918/182413/?ST=buzz
砂防法
提供: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E9%98%B2%E6%B3%95
公共事業依存型でない地域再生をできるか?(編集委員時評)
http://www.news.janjan.jp/editor/0909/0909160300/1.php
いま八ッ場ダム議論にもとめられる冷静な判断
http://www.news.janjan.jp/government/0909/0909220593/1.php
土砂災害
最近の山口県の土砂災害について。
仕事柄、土砂災害について関心を強く持っている。
亡くなった方のご冥福を祈りつつ、
自然災害の脅威を目の当たりにする。
それとともに、
下記のような情報がインターネットで
簡単に見れることをどれだけの人が知っているのだろう?
山口県土木防災情報
http://y-bousai.pref.yamaguchi.lg.jp/
http://d-keikai.pref.yamaguchi.lg.jp/dosya/YD-0000-P.aspx
マスコミも報道するなら、もう少し、強調してもらいたいな~
件の老人ホームは、
去年度に県が土石流警戒区域に指定され、
降雨量からの大雑把な予測だが、一応、朝7時には、
あの地域に警戒情報が出ていた。
どうにかして避難することはできなかったのだろうか…
それから、TVのニュースをみていると、
「土砂災害危険地域に指定されている施設のうち、3割しか砂防ダムなどの対策がされていなかった」
というところが強調されていたが…
①公共事業の予算が削られる中で、すべてに対策を施すのは現実的には無理。
②「砂防ダム」というと、大概、「自然を守れ」という反対運動をピックアップすることが多いのに、
こんなときだけ、「対策を怠った」と言われる役人に…若干同情
③対策工に優先順位をつけつつ、緊急時の避難などのソフト面の対策に力を入れるという方向に
シフトしつつある業界について、 住民まで届いていないという現状に…若干悲しい。
特に③…いくら、土砂災害の研究を進めても、避難に結びつかずに犠牲が出てしまう現状を
目の当たりにして、一人の技術者として、この分野の難しさを改めて心底、感じた。
降雨による斜面崩壊のメカニズムを研究して予測精度を高度化するだけでは、
役に立てることができないわけか…
そして、こういうことも土木が扱っているということ、
そして、日夜、研究が進められているということを
世間一般の人から忘れられているという寂しさを感じる。
ま、最近じゃ、大学の「土木学科」という名前自体が改変されてしまい、
入学希望者もどんどん減っている斜陽産業なのかもしれないけどさ~
