声優さん達の舞台を観に行きました。

西村太佑、作・演出『ゴーギャンおやじ2』を観劇しながら、つくづく「今」という時代を考えさせられました。

これ程までに、アニメーション文化が浸透してる時代は、嘗てなかった筈です。
日本のポップカルチャーとしてアニメーションが世界を席巻し、外貨を獲得して、今や、アニメーションを除いては日本を語れないまでになりました。

その影響は、俳優志望の若者達にも顕著で、劇団の入団試験でも、声優志望の受験者が圧倒的に多いのです。
それも、口を合わせたように、アニメーションの声優に憧れていて、そのための演技基礎を学ぶために劇団養成所に入りたいと言います。
これが現実なのです。

私は、この若者の強い意志表示には、少々戸惑いながらも感心して、若者達へ及ぼしているアニメーションの存在の偉大さに、今さらながら驚き、唖然とするばかりです。

その一方で、多くの、劇団員が未だにアルバイトで生計を立てているのです。
これもまた 現実なのです。

何処の業界でも同じ事でしょうが、貴方達の夢見る栄光を掴むには、人並み以上の努力なしでは成就しないと言う事を、肝に銘じてほしいのです。

それにしても、年々、若者から教えられ衝撃を受ける実例が、私の内臓に蓄積されて行きます。

アナクロニズムも甚だしいとの批判を受けるのを覚悟で言えば、私たちの若い頃には、想像もしなかった事件とも言うべき現象なのです。

当時の声優という生業は、アニメーションと言う劇場版の仕事は殆どなく、リアルな洋画の中で生きる俳優達の演技に合わせて、こちらの俳優達の声を当ててレコーディングする事がほとんどでした。

ちなみに私にとって懐かしいアニメーションに、「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」「あしたのジョー」に「巨人の星」等々があります。
それに、ディズニーに代表される様な、楽しく明るいハッピーエンドものでした。
しかし振り返れば、これらは残念ながら私にとっては、一過性のものだった様です。

そこに「AKIRA」と言う、青年層から大人達迄楽しめる作品が登場して、近未来を設定した専門的でリアルな内容が、アニメーションのイメージを一変させる事になったと言われています。
しかもその喝采の嵐は、アメリカを起点にして押し寄せて来ました。
この様な、優れた作品を数多く産し、自由に選択してみられる日本では、灯台下暗しで、なかなかその作品の秀逸さに気づかなかったと言う説もあります。

確かに私などは、いまだにアニメーションには疎く、本屋さんに立ち寄っても、たまにしかそれらを手に取ることをしません。
これは、良くも悪くも私が怠惰であると言う証拠でしかありません。

しかし、この日本のアニメーションは世界の映画界をはじめ広告・教育・歴史等あらゆるジャンルに影響を与え続けています。

そして、今日劇場で味わった舞台表現もまた、紛れもなくアニメーションの怪しげな魅力満載でした。

 

 

 

 

 

 

舞台休憩中の撮影タイム!色んなシーンの再現です。
主役の山口勝平さんは休憩中だそうです。

 

 

早く到着したので、時間調整の為本屋に入り、その喫茶室で一休み。