スクミリンゴガイのメスが、産卵する好みの方角ってあるの?


 田んぼでは、畦や畦の草、イネの茎、水路の護岸などに無造作に産み付けてあるピンクの卵塊だ。・・・・っが、少し幅の広い水路で南北に走っている護岸があると、1つの答えが見えてくる。



産卵の方角



 東西の両護岸壁に同じ四角(コドラート)を取り、その中に産み付けられている卵塊の個数をカウントする。卵塊の大きさや新しい古いは無視する。


 長さ5m分の護岸壁を数えると、東護岸壁には54個、西護岸壁には35個の卵塊があった。ここでの帰無仮説は、『スクミリンゴガイのメスは、東西の護岸壁を好みなしに卵を産み付ける』である。好みなしに産み付けるのであれば、理想としては東西同じ数になる。そこで、χ2検定を行うことにする。


 全部で89個の卵塊がある。仮説どおりだと、東西44.5個ずつあるべきだ。観察値と期待値から、検定を行うと、


   χ2cal = 4.056 

 

が得られた。これは、確率0.02より小さく、0.01より大きい。

 このことは、「仮説は非常に小さい確率である」ことを意味する。


 結論は、スクミリンゴガイのメスは、明らかに東側の護岸壁を好んで産卵しているということになる。


 では、「なぜ、東側の護岸壁を好んで産卵するのだろうか?」という疑問が次に出てくるが、ここから後は、又の機会にでも・・・

 

【岡山・香川地方の方へ】

 今日、7月25日夕方、瀬戸内海放送(KSB)のスーパーJチャンネル(16:55~19:00)の番組内で「ジャンボタニシ退治の秘策」という話題がある(新聞のテレビ欄より)。

 暖冬の影響で越冬個体が多かったのか、岡山市南部ではそこそこ稲の苗に被害が出たようだ。その対策の話題だろうと思う。

 スクミリンゴガイに興味がある方は、チェックしてみよう。