春の花としては、もう遅く、夏の花にしてもいいかもしれないが、まだ5月だから・・・。


 先週、火曜日に1年生の野外実習についていったとき、フタリシズカが生えているところより、民家に近い、明るい林の道なりに生えていた。

サトイモ科の仲間の特徴が十分出ている。

地中から、1本、茎っぽいものが生えている。茎っぽいというのは、地下茎から直接伸びた葉の鞘が何重にも重なって茎にみえる『偽茎(ぎけい)』であり、花をつけている花茎は、直接地下茎から偽茎を貫いている。手のひらのような葉っぱが、枝分かれしたように伸びているわけではない。


マムシグサ01

 

 花は、カラーやミズバショウと同じようなつくりだ。花のように見えるのは、仏像の後ろに燃えている炎を連想するため、『仏炎苞(ぶつえんほう)』といい、これは、花びらではない。この仏炎苞のなかに、花序が立っているて、その花序にたくさんの花がついている。『肉穂花序(にくすいかじょ)』という。

 


マムシグサ02

 

 こんなマムシグサだが、6月中旬以降には、仏炎苞は枯れ落ちているので、花序にびっしりと付いた赤く熟れた果実が、草むらから鎌首をもたげたマムシのように見えるため、『マムシグサ』と名付けられた。果実が付いている画像は、またの機会にでも紹介しよう。