今シーズンのゲンジボタルも、調査フィールドでは終了した。調査結果は、この後、9月くらいまで掛けて、子供たちといっしょに考えていくのだが、とりあえず、今シーズンの調査がどの程度までできたのかをまとめておくことにする。ただし、関東ではまだシーズン中なので、調査したこと全てを書くわけではない。
昨年、メスのホタルの羽化後の行動に、パターンが見出せたので、そのことを確認するために、個体を識別し、追跡調査を行った。この結果、昨年よりもパターンが不鮮明になっている感じがするが、統計処理を行うといい結果が出そうな感じだ。
昨年、水路の水位の変化に、ゲンジボタルの継続性を脅かす原因を見出したが、今年、メスの産卵場を調査したことから、継続を可能にしている要因が見出せたので、そのことは大変大きな発見だった。用水路における、ゲンジボタルの継続性の要因を一般化することができるか、この水路の特殊性なのかを考えることにする。
今年、行う予定だった卵の時期の保全に関わる実験は、上の継続性が可能であろうという判断で中止した。しかし、事実として押さえておくことが必要だろうと考えたので、来年、実験することにした。
フィールドにおける上陸から羽化後土から出てくるまでの見かけの有効積算温度の実験は、昨年1箇所、今年2箇所でデータを取っているので、おおよその話はできるもの思う。
セミの鳴く暑い夏に、サクラの咲く頃から梅雨までのフィールド調査を振り返ると、季節感をしみじみと味わうことができる。そう思うと、贅沢なことをしている気がしてくる。