自然は、常にイベントを欠かさないテーマパークだ。毎年、四季ごとに同じ季節のテーマを掲げながら、同じイベントが繰り返されながらも、まったく同じ演出で行われることはない。感動を我々に与えながら、労を惜しむことなく、途切れることなく、次々と様々に魅せてくれる。このテーマパークを、リピーターとして生涯楽しみたいものだ。
さて、サクラの花見の時期、水辺では次のイベントのために準備が始まっている。自然は、実にまめまめしく働いているのだが、ついつい見逃しがちになる。「不思議~って感覚」を持って眺めると、なにやら、おもしろいものが見えてくる、見えてくる。
夜桜見物ができない雨の夜、暇つぶしに水辺に行くと、ピ~カピ~カ、ひかりながら、水中から陸へ移動しているものがいる。近づいて見ると、正体は平べったい芋虫のようなカタチをしている黒っぽい虫だと分かる。この光る黒っぽい芋虫の40~50日のちの姿を連想できるのは、風土民俗を養っている方々だけだろう。
岡山の南部では、この芋虫の上陸が4月2日の雨、4月4日の雨によって始まった。昨年同様に、幼虫がさなぎになって羽化するまで、気温や水温を計ろうと思っている。
今年も、この水辺の幻想夜曲にお付き合いいただこうと思います。