「モディ」とは2014年にインドの首相に就任して現在もまだ首相の座にいるナレンドラ・モディのこと。

ニュースにもしばしば登場し、いかにもインドっぽいといったら失礼かもしれませんが短く刈った白髪に白いヒゲが特徴的な顔立ちではあります👨‍🦳

でも、そのインドが「モディ化」するとはどういうこと?ま、何となく良くないイメージであることは想像がつきますが……。



湊一樹著「『モディ化』するインド 大国幻想が生み出した権威主義」中公選書より。


帯書にもある通り、その実態はヒンドゥー至上主義。

仏教を生んだインドではありますが、インド住民の圧倒的マジョリティはヒンドゥー教。だいたい国民の8割弱がヒンドゥー教徒です。

逆にいえば2割程度は他教徒。その中でもだいたい7割、つまり国民の約14%を占めるのがイスラーム。

モディの統治には、特徴的な面としてこのイスラームを目の敵にし😱とって返す勢いで8割のヒンドゥーを自らの支持基盤として固めるということがありそう🥶


ヒンドゥー至上主義を自他ともに任ずるモディ氏がインドで支持を集めるのは、インドが長いこと植民地として外国から支配されてきた歴史と切り離すことができません😢


……なるほど近代以降はたしかにインドは弱い国だった。しかし本来インドは豊かな文化と精神性を有する国なのだ。その証拠に見よ、かつての支配者だった欧米人が今はヨガやスピリチュアリズムを学びにインドへ来るではないか……という思いが根底にあるよう🧘

それ自体は理解できますが、だからといって外来の宗教(と一方的に指定する)文化や民族を弾圧していい理由にはなりません。

ましてモディ首相は👆の情念を揺るがないものにするため、圧力をかけ報道をねじ曲げたり、経済や株価に関する統計を捏造したという疑いまでかけられています😡


アメリカやヨーロッパは対テロ戦争のためモディ首相のやりたい放題を見て見ぬふり。

自国第一主義を掲げるはずのモディ首相ですが、その政治には皮肉にも外国勢力の思惑が働いてもいるのです。


いや、欧米だけでなく中国すらモディ首相には奇妙な親近感を抱いていると。

中国が自国の政治に批判が集中するのを防ぐためにはインドが乱れていた方が都合がいい。モディ首相は「反共」「反中国」でもありますが、実際には印中両国は妙なところで傷を舐め合うような関係だといいます。


まともな国勢調査も経済統計もないため世界4位と喧伝される経済力も疑問視する専門家が少なくないのだとか。


またコロナ禍でもかなり甚大な被害が出たよう。

モディ首相はこれも隠蔽し、コロナに勝ったモディ首相というイメージをあれやこれやで自国民に植えつけようとしているのだとか。そのために正統な医療にアクセスできない経済弱者が発生していると指摘されますが、モディ首相はあくまで貧困は自助に任せるものだとして無関心を貫いています。



こうやって書いていると、否が応でも故安倍元総理の政治姿勢を思い出さずにはいられませんね、いや実際、安倍元総理は生前かなりモディ首相を評価していたようですが😅


著者が指摘するのはインドよりも日本の姿勢。

さすがに欧米でもモディ首相とインドの現状に違和感を抱く人が多くなってきたと。

にもかかわらず日本はそもそもインドのことに関心がない。著者が提示する今のインド情報を聞いてもそれを生かそうとはしない。

見たいものだけ見て、見たくないものは見ない。結果、今の日本人が抱くインドのイメージは非常に偏った歪なものであると。


まずはインドそのものを知ってほしいとは著者の言。それは巡り巡って日本の今のおかしさに気づく方法でもあることでしょう😊









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