わたしより2歳年下の著者。デビュー以来、若者論者として活躍してきましたが、本書のテーマは「終活」。つまりは、そういうことですよ😇
雨宮処凛著「死なないノウハウ 独り身の『金欠』から『散骨』まで」光文社新書より。
前述のようにテーマは「終活」。とはいえアラフィフの著者(とその同世代)にはまださすがに早い話のようで、むしろその親世代の「終活」がメインになっています。
まず初めは自らの半生から。就職氷河期にぶつかってフリーターに。
新しい生き方などともてはやされたのは一瞬のこと。たちまち「自己責任論」によるバッシング😢
そこから若者の労働問題に興味を抱き、長いこと労働と貧困問題を追うライター兼活動家として走り続けてきました。
長いこと若者の貧困と労働を追ってきた身ながらも気づけばもうアラフィフ。もしも正社員だったなら「定年」がそろそろ頭をよぎる頃です。
若い頃のように働きたくとも体力の衰え、健康面の不安が頭をよぎり😱
やがて訪れる親と自分の終活。しかし低賃金で働いてきた我が身に蓄えはなく、氷河期世代はお先真っ暗……なわけでは決してない✊
というのが本書に書かれていることです🤩
まずは自らのお金と健康から。すでに動き出しているNGOやユニオンなど、あるいは公共の手による福祉など。自治体も別に手をこまねいているわけではなくさまざまな支援を準備していることがわかります。
逆にいえば、支援の手が既にあっても、当事者にそれが伝わってないことが問題だともいえます。本書は一つひとつそれが活用できるよう丁寧に説明していきます。
タイトルにも「ノウハウ」とありますが、本書は実に便利なハウツー本であるともいえるでしょう🙂
そして後半はいよいよ「終活」。具体的には「相続」とそれから「祭祀」。まあ、いわゆる「墓じまい」ということになりますね🪦
墓じまいはわたしの仕事に関することなので興味深く読ませてもらいました。
寺院による永代墓や、樹木葬。そして散骨。以前のようにお墓をつくることが珍しいことになっているのは何となく予想していましたが、これからは散骨が増えると指摘していたのが印象的でしたね。
いずれにせよ葬儀、法要を行わない「直葬」が前提になっていたこと、なかなか重いものを突きつけられた気がします😔
意識の変化もさることながら、経済的な面で葬儀を出せないケースがあるのなら、宗教界もやるべきことがたくさんありそうです。
いずれにせよ、どんな状況にも救いの手は必ずある、というのが著者の一番言いたいことでありましょう。
麻生太郎さんに言われたみたいにわざわざ老後に二千万円貯めなくても、助け合って明るい老後を過ごすことが理想ということになりそうです✨
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