衆議院議員 中国研究家という肩書きになってますね。



海江田万里著「蘇軾 その詩と人生 逆境の時代を生き抜く力」芸術出版社より。

まずは 著者 👇の説明から入った方がいいのかも。



著者は現在、立憲民主党所属の衆議院議員。

経済評論家……というかコメンテーターとして税金党(後に日本新党に合流)から出馬、当選。まあ、いわゆるタレント議員ですね。

日本新党から紆余曲折を得て旧民主党に所属。菅直人政権で経済産業相。野党転落後は短期間ながら民主党代表。

当落選を繰り返し、現在は衆議院の副議長です。


肩書きのわりに選挙も弱く、政治力というほどのものはない人ですが、その代わり政敵というほどの相手もいないのがまあ取り柄😅

文人としての顔もあり本書の出版です。ちなみに名前の万里は、万里の長城が由来だとか。



本書のテーマ蘇軾は、蘇東坡といった方が通りがいいかもです。中国 北宋時代の政治家にして文人。禅にも精通し、わたしの宗派の開祖 道元禅師が誉める数少ない一人でもあります😳

著者 海江田万里は2014年、民主党代表の座から、よもやの衆議院落選という浮き沈みを経験し、その合間にこの蘇軾の書を東京国立博物館で目にし大きな感動を受けたそう🥹


もともと漢詩というのは詩文の中でも特に政治と深い関係がある分野👇


政治家・文人としての名声をほしいままにしながら、宋王朝に顕著な激しい政争に飲み込まれ、投獄・左遷・流刑という有為転変を経験した蘇軾に、落選中の自らを重ね合わせただろうこと想像には難くありません。

蘇軾は生涯の記録がかなりはっきりと分かっている人であり、想像の翼を広げる余地が乏しいとしながらも、中国通としての顔も使いつつ、蘇軾の詩文を丁寧に解析し、五年の歳月をかけ伝記作品にまとめました📖


左遷・流刑の悲劇にめげず、荒地を開墾し、当時は賤しい食べ物とされた豚肉の調理方法を工夫し、後世に残る中華料理 "東坡肉(トンポーロー)"を発明するなど人生の達人ともされる蘇軾。

著者もツラい野党生活の厳しさを詩文で癒そうとしてるのかも🥹


ポツポツ自身の政治家としてのエピソードが出てくるのはご愛嬌でしょう。

本書で中国通とされていた二階俊博も政界引退です。二階が固執した古い政治の罪はそれとして、東アジアを理解しようとする政治家が不遇である現状を踏まえつつ、古人の知恵には学びたいものです✍️



なお姉妹編👇もあります。




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