追悼😢 合掌🙏
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著者は駒澤大学名誉教授。専門は宗教学。なかんずくシャーマニズム研究の第一人者でした。
曹洞宗僧侶の縁者であり幼少期に両親を失ったため曹洞宗寺院にて成長。寺院住職にはならなかったものの、曹洞宗にとって最良のアドバイザーであり続けました。
わたしには恩師といってもいい方でした。改めて合掌🙏🥲
というわけで佐々木宏幹著「仏教人類学の諸相」仏教企画より。
論文集というより著者最晩年のエッセイを中心に編集されたものです。
その多くが本書を発行した仏教企画の刊行物「仏教企画通信」に掲載されました📖
刊行は生前ですが、ある程度の覚悟があったものか、自らの半生を振り返りながら今後の仏教界、あるいは曹洞宗が進むべき道を指し示さんとした内容です🥲
ちなみに序文は親交の深かった島薗進氏👇
自らの専門であるシャーマニズム研究に依拠しながら、現状の日本仏教を、空・無常・無我など仏教の深淵を説く「教理仏教」と、葬儀や祈祷など生活に密着しながら仏教的には邪道とすらみなされる法要・法式を中心にした「生活仏教」の二つに分類。
この二つは矛盾するものではありながらも、僧侶が長く修行を積むことにより、檀信徒への言語を越えた感化力=仏力を得ることによって、両立が可能だというのが長年の持論でした。
と、同時に、"仏力" を得た僧侶は社会に積極的に関わっていき、平和・人権・環境という価値観を常に視野に入れておくべきことも示唆し警鐘も鳴らしました🔔そしてそれは死者への追悼と深く結びついていることも。
シャーマニズム研究に進んだきっかけとして、本書276〜277頁にあるように、本人が「見える人」であったことを島薗進氏も指摘しています👻
浦沢直樹のマンガ「MASTARキートン」のモデルだなんて噂も学生たちの間にはありました😅
客観的にあり得る話ではないですが、葬儀の席でも語られていたので広く信じられた噂ではあるようです👆
昨今の直葬・薄葬の傾向に、日本人の伝統的な霊魂感の変容を見て取り、また僧侶と社会の関係も変化が避けられないとし、仏教界にはそのための準備をしておくようアドバイスしていました。
シャーマニズム研究に身を投じながら、最期に僧侶に向けたアドバイスは、僧侶はもっと積極的に社会に向けて教えを説くべきだということでした。現代だけでなくまさに未来をも見据えた一冊だと思います🙏
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