きのう前回の『アメリカは悲しい国になった』の続き

 

米国連邦最高裁裁判官の候補者を選ぶのは大統領の権限。トランプ時代、彼寄りの判事が任命され、共和党系の判事が多数を占めることに。その結果だと思うが、連邦最高裁判所は議事堂乱入を扇動したトランプに大統領立候補資格があるとの判断を下した。

 

これを知って日本でも安倍政権が司法人事に介入した事件を思い出している。かつて、日本の元首相がロッキード事件で東京地検特捜部によって逮捕された。それを指揮したのが検事総長。国の最高権力者をも逮捕できる検事総長の人事に安倍政権が介入しようとしたのである。

 

当時の東京新聞・本音のコラムに、

元文科次官の前川喜平さんは「検察人事の私物化」と題し、東京高検・検事長黒川弘務氏の違法な定年延長が閣議決定された。「東京高検検事長の定年延長が次の検事総長に任命するためだと思われるが、検察庁法違反の疑いもある異例の人事だ」「検察が政権に私物化されれば『首相の犯罪』は決して暴かれることがないだろう」と書き(2020年2月9日)、

 

ルポラオターの鎌田慧さんは「火事になった消防車」と題し「消防署が火事になり、警官が強盗を働き、医者が人を殺し、首相が公職選挙法に違反したら、世の中真っ暗だ。高額税金を私用にまわした首相の桜見物もデタラメだが原発の化学消防車が火事になったら大変だ」と書いた(2020年2月11日)。

 

結局、黒川氏の賭け麻雀が発覚し安倍政権の企みは実現しなかったが、もし官邸に近い人物が検事総長に収まっていたら、はたして今度のように自民党の裏金問題に特捜は動いただろうか?結果は不十分でがっかりもしたが、裏金問題がこれほど国民の前に晒されなかったかも知れない。

 

ではまた。