基盤構築において、作成したクライアントPCのイメージを大量に展開する方法について何回かに分けて説明したいと思います。
PCの展開にはWindows展開サービスを利用する、GHOSTを利用するというのが一般的に知られています。
今回は、MDT(Microsoft Deployment Toolkit)というMicrosoftが提供している無料のツールを使用して展開する方法について書きたいと思います。
また、MDT(Microsoft Deployment Toolkit)は「Winodws7」「Winodws Server 2008」と色々なOSに対応していますが、「Windows Server 2008 R2」を利用する方法です。
PC展開のための準備~展開までの主な流れは以下の通りです。
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1.展開、管理用の環境を用意
(使用したのは、Windows Server 2008 R2)
インストールする役割・機能
・Active Directoryドメイン・サービス
・DNS
・DHCP
・WINS(必要ならインストール)
・Windows展開サービス
2.Windows AIK をインストール
3.Microsoft Deployment Toolkit(MDT)をインストール
4.応答ファイルの作成
5.WindowsPEの作成
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6.マスタコンピュータの構築
7.マスタコンピュータでSysprepを実行
(※応答ファイルがある場合は応答ファイルを指定してsysprepを実行)
8.マスタコンピュータのイメージ取得
9.イメージをMDTへ取り込み
10.展開用に各種設定
11.MDTにて展開イメージの作成
12.各端末にマスターコンピュータのイメージ展開
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1.展開、管理用の環境を用意
⇒ OSのインストール
、役割・機能のインストールおよび設定を実施
・Active Directoryドメイン・サービス
・DNS
・DHCP
・WINS(必要ならインストール)
・Windows展開サービス
2.Windows AIK をインストール
⇒ Microsoft の公式ダウンロードセンターから次の2つをダウンロード
・WindowsR 7 用の WindowsR 自動インストール キット (AIK)
・Windows 7 SP1用のWindows自動インストールキット(AIK)補足プログラム
⇒ インストールを手順に従い実行し、完了する
3.Microsoft Deployment Toolkit(MDT)をインストール
⇒ Microsoft の公式ダウンロードセンターから次の2つをダウンロード
・Microsoft Deployment Toolkit (MDT) 2012 Update 1
⇒ インストールを手順に従い実行し、完了する
4.応答ファイルの作成
⇒ 「Windows AIK」と同梱されている「Windows システム イメージ マネージャ」を
利用して、必要な設定を行い応答ファイルを作成する
⇒ 作成の方法、設定内容については次回
5.WindowsPEを作成
⇒ 「Windows AIK」と同梱されている「Deploymentツールのコマンドプロンプト」を
利用してWindowsPEを作成する
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ここまでがザックリとした展開のためのツールの構成方法です。
次回は、応答ファイルの作成方法、設定内容、マスタPC側ので手順を順を追って書いていきたいと思います。
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知っておくと良い言葉
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※ 「PCの展開」とは
標準となる環境を構成したパソコンを作成し、多数のPCにその標準環境を展開(構築)する事
※ 「WindowsAIK」 とは
Windows自動インストール・キット。
MDT 2010の必須ツール。
配布するイメージ(.ISOや.WIM)などは、WindowsAIKに含まれるツールを使って作成したり、再構成したりする
※ 「Microsoft Deployment Toolkit(MDT)」とは
Microsoftが提供しているGUIを備えた無償のデプロイメントツール。
PCを展開するために利用できるMicrosoftが提供しているさまざまな技術や
ツール類をMDTがまとめてくれて、パソコンを展開するためのプロセスを
自動的に作り上げ、自動展開する仕組みを提供してくれるツール。
※ 「応答ファイル」とは
WindowsR セットアップ中に使用する設定の定義と値を格納した XML ベースのファイルのこと。
応答ファイルには、ディスクの分割方法、インストールする Windows イメージの場所、
適用するプロダクト キーなど、さまざまなセットアップ オプションを指定する。
ユーザー アカウントの名前、画面の設定、Internet ExplorerR のお気に入りなど、
Windows のインストールに適用する値も指定することができる。
通常、セットアップ用の応答ファイルの名前は Unattend.xml とする。
※ 「WindowsPE」とは
WindowsパソコンをCD/DVDなどのリムーバブルメディアやネットワーク経由で起動するための軽量版Windowsシステム。
Windowsプレインストール環境とも呼ぶ。
システムトラブルの診断や復旧作業を行う際の、起動用システムとしても利用できる。
プリインストールや復旧に必要な最小限の機能を提供する。
Win32の主要機能やNTFS、TCP/IPなどをサポートしている。