アメリカ代表左ピッチャー、マックスウェルがライバルのオクラホマ大学に移籍し、緊急事態だったはずのオクラホマステート大学。


しかし、マックスウェルとダブルエースだったレキシキルフォイルが開幕から絶好調。絶対的エースとして君臨している。







今日はリーグ戦、ブリガムヤング大学。








7回完投した。11勝目。









典型的なアメリカンピッチャー。デカイ、ゴツイ。188センチの剛腕。


キルフォイルはエリート。高校時代は、2年連続、フロリダ州最優秀選手賞。




2017、2019年、アメリカジュニア代表。









2017年、そうそうたるメンバーと。ムリポラ、ニクルス、シスベイツら。キルフォイルは高校生で参加。






2019年は、ゴトーにサヨナラ勝ち。ファライモ、スカイラーウォラス、ファウツら。


キルフォイルがソフトを始めたのは8歳のとき。しかし、ソフトが嫌いだった。なぜなら、泥だらけになるから。キルフォイル、私はガーリーガールだったから、と振り返る。


ソフトをやめたかったが、父親が許してくれない。キルフォイルにソフトをしてほしい父親は、ある提案をした。「ダディがコーチをしたら、あと1年だけやってくれるか」。父親大好きキルフォイルはシブシブ承諾した。


それ以来、11歳くらいまで、アメフト出身の父親が、チームのコーチをしてソフトを教えた。キルフォイルはいつのまにか、ソフトが大好きになっていた。しかし、キルフォイルらがカラダも技術もグングン成長。素人コーチの父親では手に負えなくなった。


ある日、父親は泣きながら、キルフォイルらに言った。「みんな、一生懸命練習して、ソフトが上手になった。これ以上はダディたちは教えられない。もっと専門的知識を持った経験者のコーチに教えてもらわないといけない。次のステップに進もう。今までありがとう」。


キルフォイルらも泣いて父親らに感謝の気持ちを伝えたとか。書いているだけで、オイラも泣けてくる。


その後、キルフォイルはアメリカのソフト界のど真ん中を歩み、同じジュニア代表だったモンタナファウツ、スカイラーウォラスと一緒に、アラバマ大学に入った。 


ウォラスはなぜか、1年間いただけでフロリダ大学に移籍。しかし、遅い移籍へのペナルティで1年間出場できなかった。







キルフォイルは、ジュニア代表ピッチャーという期待大で入ったが、足のケガで思うように活躍できなかった。股関節に持病があるみたい。








手術もした。ケガと不振。次第にソフトをやっていること自体が重荷になった。ただ大学にいるだけ、ソフト愛が冷めていった。


しかし、自分がソフトをやっていることが父親の夢。壊すわけにはいかない。父親らに相談した結果、環境を変えて心機一転やり直す、との結論に至った。


移籍ポータルに登録したら、多くの監督からメールが入った。その中に、ある名前を見つけた。



オクラホマステート大学のガイエスキー監督。実はキルフォイルとガイエスキー監督は中学時代からの知り合いだった。


キルフォイルは中学時代からフロリダのスター選手。ガイエスキーは当時、盟友ウォルトン監督の下で、フロリダ大学の敏腕リクルート担当コーチだった。


当時は青田買い規制強化前。中学生とスポーツ奨学生契約できた時代。地元フロリダの将来有望ピッチャーを、敏腕ガイエスキーが放っておくわけがない。中学生のキルフォイルと父親をフロリダ大学に招待した。


ガイエスキーがつきっきりで2人を案内というか接待。キルフォイルは、父親が、ガイエスキーはいいひとだ、大好き、としきりに言っていたのを今でも覚えているとか。しかし、中学生のキルフォイルが選んだのはアラバマ大学だった。ガイエスキー、がっくり。


で、メールリストにガイエスキー監督の名前を見つけて、キルフォイルは中学時代に会ったことを懐かしく思い出した。実際に再び会ってみると、昔と同じ、優しいガイエスキー監督だった。移籍先はオクラホマステートに決めた。ガイエスキー、にっこり。





移籍1年目。ケガも治り、昨シーズンは16勝、防御率2.19と活躍した。今シーズンはさらに調子を上げている。大学院生として、ピッチャー陣のリーダーとして若手ピッチャーにアドバイスもしている。


そんなキルフォイルの夢は、2028年ロス五輪に出ること。そのためには大学卒業後、プロにならないといけない。




あるインタビューを見ていたら、なんと、日本にも行きたい、って言っているじゃ、あーりませんか。


たしかに、ジュニア代表で一緒だったファライモ、サンダーコック、ムリポラ、ニクルスらはみんな、日本リーグにいるか、いた。


アタマのいいキルフォイルなら、レベルの高い日本リーグで研鑽することがアメリカ代表への道につながるとわかっている。やはり、若手の憧れのカーダがずっと日本にいる影響は大きい。 


さあ、JDリーグの関係者のみなさん。実はキルフォイルはバッティングもすごい。当たるかわからないが、当たればいつもホームラン。




日本に来たいって言ってくれているんだから、どこか獲得してください。かなりやります。よろしくお願いします。