突然ですが、小前亮と言う人物を知ってますか?


まぁ、知らないと言う人が多いのかも・・。


彼のデビュー作、李世民を紹介したいと思います。


『皇帝は帝都・長安を捨て、中国全土に反乱が相次ぎ、隋の権威は地に堕ちていた。

群雄割拠の時代を迎え、北方を守る太源留守・李淵の次男・李世民は李淵に決起を促し、大陸の覇権を賭けて長安を目指した。

唐朝第2代皇帝となる李世民の後戻りのできない戦いを描く、ロマンとスペクタルの中国歴史長編』

(粗筋より)



正直な話・・・。


これが処女作!?

冗談だろ!?


と思いましたね・・(汗)


出来が素晴らしい。


面白いのが、李淵が優柔不断な人物として、描かれています。

少々、臆病者・・・。


その、駄目パパぶりが、中々可愛い。


そして、よく出来た二人の息子。


内政に長けた、長男・李建成

知略に長け、戦上手の次男・李世民。


よく出来た二人の息子を、支えに父李淵は、重い腰を上げます。

というか、重い腰を上げざる負えない・・。


でも、この二人が良く出来ているから。

よく出来すぎているから・・・。

最後に・・・・。

っと、これは、読んでのお楽しみ。


そして、この作品で一番に描かれているのは、李世民の魅力。

カリスマ性です。

ただ、声をかけただけで、他人を魅了する。


危機に陥って、暗い雰囲気に包まれていても、李世民の足音を聞くだけで、場の雰囲気ががらりと変わる。

そういう描写も数々で見られます。

それ程、父から、兄弟から、部下から頼りにされている。


もちろん、100戦100勝なわけではない。

それでも、部下の助けを借り、ついには中国全土の統一を果たすのです。


そして、李世民だけではなく、他の群雄にも眼を向けています。

そのエピソードの中には、ホロリと来る場面も。


ただ、少し不満なのは、李世民をもう少し掘り下げて欲しかった。

章の始めには、勢力図があり。

各武将のエピソードもあり。

戦闘シーンも、迫力があるんですけど・・・。


少し、分かりやすさが前面に出すぎたのかもしれませんね。


使える史実は使い、そうでない部分は、史実にこだわらず、とことん魅力的に描く。

それが、作家小前亮の魅力です。


中国歴史小説好きの人は、必読の一冊!


新しい感覚の、中国歴史小説です。


李世民 (講談社文庫)/小前 亮
¥1,000
Amazon.co.jp