全日空は15日、大阪乗員部所属の国内線機長(54)が、国内29空港の保安情報をインターネット上に流出させたことを明らかにした。機長の自宅の私有パソコンが、ウイルスに感染したことが原因で、流出情報を悪用すれば、17空港の保安区域に部外者が立ち入ることが可能だった。全日空は発覚した昨年11月に国土交通省に報告したが、「保安上の観点」を理由に公表を差し控えていた。
流出したのは、羽田や中部国際、関西、福岡、新千歳など各空港のデータ。各空港の全日空事務所や搭乗口に至る空港施設の電子キーを解除したり、出発ロビーと到着ロビーを行き来する専用エレベーターに乗り込んだりする際に必要なパスワードなどが含まれている。いずれも一般の立ち入りは禁止されている区域だが、航空機には搭乗券がないと乗り込めないという。
機長はこれらのデータを自宅の私有パソコンに保管していたが、ネット上で不特定多数とデータを交換するソフト「Winny(ウィニー)」がウイルスに感染したために流出したとみられる。
昨年11月に国土交通省からの連絡で気づき、各空港に通知してパスワードを変更したため、保安上の問題はなかったという。全日空は社内規定で保安情報の持ち出しを禁じており、機長を厳重注意処分にした。
パスワードは昨年7月時点のデータ。定期的に変更するため、12空港は流出時点で、すでに変更されていた。
昨年12月には、日本航空の副操縦士がパソコンのウイルス感染が原因で、空港の保安データをネット上に流出させたことが判明している。