年に1~2回くらいかな、タケの事が大嫌いになる時がある。

仕草が嫌だったり、考え方が嫌だったり、その時々で違うんだけど、もう終わりにした方がいいのかもって思うくらい嫌いになる。

ついこの前もそんな心境になった。

もう明日からここに来るのはやめにしよう、そう思った。


そう思ったその日、タケが大怪我をした。

ひとりじゃ何もできないくらいの怪我。
なんだよーとか思いつつも放っても置けず、お風呂とか身の回りとかの世話をする事になった。
とりあえず怪我が良くなるまで、って思ってた。


最初の日にお風呂に入れてタケの頭、顔、体を洗った時にふと思い出した。

あたしがギックリ腰になった時、タケもこうやってあたしをお風呂に入れてくれた。屈めないあたしにパンツまで履かせてくれた。長かった髪を丁寧に乾かしてくれた。キッチンの水仕事や洗濯もしてくれたっけ。あの時ありがたかったなーって思い出した。

あんなにしてくれるのは後にも先にももうタケしかいないよって、そう思った。

今回の嫌だったことなんて性格や仕草や考え方が100あるとしたら2とか3のレベルだよな。
そんなちっぽけな事より大事なことは、どれだけあたしの支えになってくれてるかって事なんだよな。

そう思ったら、この五年でずいぶん支えられてきたし、あたしも支えてきた自信みたいのある。2レベルごときで離れちゃうような簡単なモンじゃないと気づいた、そんな春の夜でした。



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