以前の自宅には、応接間があって、ソファセットがおかれていた。
両親もよくわかないけど、応接間っつーものは家にあるものだと思っていたらしい。

応接間があっても、ほとんど応接するほどの客人はなく、
近所のおばちゃんたちは大抵居間でお茶とお菓子を食べていた。

その応接間で、幼い私は気取って、インスタントのコーヒーに、
めちゃ砂糖を入れ牛乳を入れて、ソファに座って飲んでいた。
母お手製のガウンを着て。
ガウンは、キルティングでできていて、ところどころほつれていた。

ポール・モーリアの曲を聴くと、その情景を思い出す。

パーマ屋さん
西友
ルノアールの絵
アーケード
お手製のガウン
インスタントコーヒー牛乳
ソファセットに占拠された応接間


誰もが愛したポール・モーリアの名曲。

誰もが愛しすぎて、いつでも流れていた。
ほんのちょっと気取ったところで。

素人の洋風気取りというものと、ポール・モーリアの曲が私の中で結びついてしまっているらしい。