親戚含めた家族旅行

そのお父さんはビデオ係りに徹していた


旅行から帰り、若夫婦はテープを借りてお父さん撮影の思い出を鑑賞した


きれいな景色、楽しそうな家族


お父さん、まだ操作がなれないのか揺れる画面

皆が並んで、こちらを見たと同時に画面切れる
きれいな景色にレンズが向いたと思ったら、切り替わる

あれ?

ざっくざっくと歩く地面の映像
お父さん、靴撮りたかった?


孫がこっち向いたと思ったら、切り替わり、
またざっくざっくと地面

あれれ、土からコンクリの地面へ?
そこって、そこってトイレ?あれれあれれ、あぁ何かが始まる?

というところで、画面は終了

見てる若夫婦、ほっと安堵のため息
その後の爆笑


お父さん、ストップと、スタート入れちがっちゃった。


お父さんの撮影失敗の残念さよりも、
お父さんが極大の恥をかかなくてよかったという安堵が空気を覆い
お父さんへの愛が、ほんのり


きっと、撮影に失敗した色々な人に語られて
笑いとばす幸福に、お父さんは何度も登場する