アベノミクス効果は5年~10年掛かるのではと前から感じている。
株価が上がり、一段落したあとの内需の動向だが、構造的にどう考えても上昇するとは考えられない。

先ず、消費構造だが
・団塊世代が現役リタイヤし、役職定年となるため年収はガックリ落ちる。

・年金破綻の不安もあり、今まで目新しい物に飛びついていた層が如何にお金を使わず時間を使うかに走っている。

・外車が売れているというが、これはフォルクスワーゲンであり、団塊がゴルフに勤しむためにメルセデスやBMWの大型セダンを軽四、或いは余りにもの楽さが格好悪いのでワーゲンに乗り換えているのではないか。日本車の中型は伸び悩んでいる。
株で儲けたり共働き40代-50代はせっせと最新のドイツ車に乗り換える。
ヤナセを見るとメルセデスやBMWの中古がめちゃくちゃ安い。(笑)

・金持ち一人が国民100人分の食費や贅沢はしない。金持ちが数人増えたところで、蚊に刺された程度の効果しかない。金持ちが一日5食を家族全員で食って頂いて、メタボ治療費を思い切り支払ってくれてもたかが知れている。現実、金持ちほどケチだ。

・円高により、重要な生活インフラである小麦が上がり、食費は1.5倍程度に嵩上げされる。団塊ジュニア世代では所得にばらつきがあり、養育世帯では非常にタイトな背活をしているし、生活雑貨などの耐久品は既にもう揃っている。
お気楽団塊ジュニアはパラサイトやニートが今でも多く、GDPに貢献していない。

転じて、設備投資だが、
・人件費の伴う大規模工場はすべて中国から東南アジアに向けて投資がシフトし、最先端部品の工場では、そんなに人が必要ではない。そのため、雇用はたかが知れている。

・年金や健康保険が消費税や輸入関税と関係なく年々上がっているため、おいそれと雇用は増えない。

・建設需要も東北復興とオリンピックといっても高齢化、老齢化となり人手が足りなく、スループット出来ない。つまり雇用効果が細いままで、資金が流れていない膠着状態だ。

ここに来て消費増税
・耐久品の自動車の軽四から小型ハイブリッドまでの需要だけが吹いている状態で、これもスループット不足

・必需品は買いだめされる傾向にあるが、買回り品などのファッション・付加価値品は消費増税前の駆け込みは発生していない。つまり必需品と耐久財だけが少し上向いているだけで爆発していない。

団塊の収入不足、団塊ジュニアの消費一段落、若者の雇用不足が目に見えて進行しており、国内製造の設備投資なんて今から掛かっても再来年の話だ。

・消費増税前の駆け込みが一部だけで不発に終わる可能性が高く、企業は尻込みし、間接的な企業への予算を下期は縮小することとなると予想される。つまり、金が回らなくなり、失速だ。

内需依存と輸出製造の板挟み中間期で大きな構造変革が伴うため、即効性がないと考えられる。

政府主導で製造設備を日本に再度戻した場合の思い切った時限的税制優遇策(雇用症例と設備に係る固定資産税の10年間の大幅減税措置)などが伴わなければ、設備は海外から日本に戻ってはこない。