私の父がいつも口にしていたことがある。


戦後、フランスのルノーが日野自動車にOEMで作らせていたセダンがあった。

これを父は、知人の医者から夜に有償で借り出しては仕事に使わせてもらっていたそうだ。


本国で生産されたフランス製のルノーは多く故障し、道端で煙を吹いていたそうだが、

日野が作り出すOEMの同じ車輌は全く故障せず、元気よく走ったそうだ。


日本のモノづくりには、勤勉さとプライドという卵があった。

今、日本の自動車部品メーカーや車体メーカーはこぞって中国に進出しており、

現地でのOEMを行っている。


中国にこの戦後の日野のような勤勉さが根底にあるだろうか?

中国製の車は故障しないのだろうか・・。


10月28日の日経新聞には、中国は、「成長並みに所得増」と5カ年計画を掲げた発表があった。

ブログの読者の皆さんはそんな記事は記憶には無いのだろうが、

これは日本の国民性として卵を選択し、我慢しながら勤勉に働き、

そして精密なモノづくりを確立したのだが、

中国は先に鶏を求め、卵を産む前に食ってしまう可能性が高い。

労働を行い、モノづくりを達成するよりも、賃金を先に上げろと要求する。


国内総生産に見合った所得水準ということは賃金は確実に上昇し、進出した旨みが無くなっていくのだろう。

また、環境保護税を徴収すると明言しているということは、工業に対しては大きな税収がかけられることになる。

これは内外企業問わず可能性を考慮しなければならない。


TPPで輸入関税は撤廃されても、違う税金が徴収され、海外進出しても長期的には意味が無くなることも指し示しているのではないか?


そして、明確に

海洋権益維持に言及している。海洋権益というあいまいな表現であるが、

■海洋資源全般を指す。ガス田だけでなく魚、漁業含めて

■海洋通行権も含める。遠回りすると海洋運搬コストは上昇する


10億~14億の人口を満たす食料の量は並大抵ではないだろう。乱獲、泥棒、密漁。


そして、これを明記した上で

経済発展と同じ速さで軍事力を増強する!と明確に発表している。

太刀打ちできませんね、どう逆立ちしても。