消える若者市場
消費に背を向ける若者を追うな、中高年に“若さ”を売れ消えた“ブーム”
2010年11月2日(火) 日経ビジネスオンライン
大衆消費社会では時折、“ブーム”と呼ばれる圧倒的多数の消費者を巻き込む流行現象が起こる。
かつて1990年代には携帯電話が爆発的に売れ、女子高生ブームに浮かれ、「Windows95」や「たまごっち」のために人々は行列をつくった。
さらにバブル華やかなりし1980年代までさかのぼれば、DCブランド(デザイナーズブランド、キャラクターズブランド)やイタメシ(イタリア料理)から株式投資に至るまで、あらゆる分野で絶え間なくブームが巻き起こっていた。
ところが最近は、次のブームがなかなかやってこない。
最近のトレンドとして、エコカーやファストファッションもブームと呼べないことはないが、小粒感は否めない。
例えて言うならば1980年代の消費の鍋は、何かあればすぐ沸騰するほど熱かった。
これに対して近年の消費の鍋は冷え切ってしまい、めったなことでは湯気さえも立たない。
かつての消費ブームの先頭に立っていたのは、言うまでもなく30歳以下の若者世代だった。
しかし現在の消費市場では、若者の存在感が年々希薄になっている。
そして若者をターゲットとするビジネスは軒並み低調である。
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若者に購買力が無いという意見だが、アホか。
若者に限らずデフレです。
■中高年はローンを抱え、高い学費のために可処分所得は少ない
■中高年は殆ど今までに贅沢を購入しているので、満ち足りている
■携帯や通信費など、バブルの時代には無かった必需品費用が嵩みさらに苦しい
■給与は実質下がっている
■年金は至急がどんどん遅れ、もらえずに寿命を迎えると考えている
■金を儲け、金の使い方にセンスが無いため、目指そうとしない(上場企業のオーナー)
⇒芸能人と遊んだりすることにしかお金を使っていない・・(笑)
■若者は仕事が無い上に将来が不安
一方、企業側の責任だが、
●生活をするのに必要な商品はもう既に具現化され、これ以上あまり必要が無い。
●少し売れるとマスコミが穿り返し、大手が資本を突っ込んでいきなりコモディティ化の道を歩む。
⇒最近このニッチ市場への大資本参入と、ぺんぺん草が生えなくなるまで市場を食い荒らしによるコモディティ化とライフサイクル短命化が激しい。
●企業も新しい製品などに必ず枕詞が付く、“それはどこかで実績がありますか?、どこかで採用になっているのですか?”
●国内製品でコストを掛けるよりも、従来品を中国やアジアで転用し、売りさばく方が楽だし儲かる。
至極まともな心理が働いているが、これらのストーリーの中で、“一体、どこに金を使う気概が湧き起るのか?”
ということ。
ネットがもたらしたことの大きな影響として、企業が考えている裏を見透かしてしまう賢い消費者を生み出したということなのだ。
生活の利便性とローコスト化が図れる商品、安近単楽の商材はポテンシャルヒットを飛ばしているのだ。
今は、マーケティングからパーソナルな「安近単楽」の商品開発を行うフェースではないだろうか。
安近単楽とは、「安価、身近、単純で簡単、楽が出来る」であり、ひところの旅行を揶揄した「安近短」ではない。
身近な問題を低価格で解決するもので、使い方が非常にイージーなもの。これがキーワードだ。
実はこの「安近単楽」は開発すると、ひとつの業界が吹き飛んだり、企業の中で大きな事業部門が吹き飛んだりするので、政治的な理由で開発解決できないのだ。つまり、規制が社内でも発生していて撤廃できない商品ばかりだ。
だから外国の製品が日本に入り込まない限り、活性化しない分野ばかりだ。
これ、経済もテンバッテますよね。こんな時には動かないのが一番いいのです。