学力不足で採用できない(ビジネスリーダー)
(鈴木幸一氏の経営者ブログ)
日本経済新聞WEB刊 ビジネスリーダー 2010/8/3 7:00


鈴木幸一(すずき・こういち)1946年9月生まれ。国内インターネットサービスの草分け。インターネットイニシアティブ(IIJ)を設立し、郵政省(現総務省)との激しいやりとりの末、93年にネット接続サービスを開始。後に続くネット企業に道をひらいた業界の重鎮。酒、タバコ、音楽と読書を愛し、毎春、東京・上野で音楽祭を開催、自宅は蔵書に埋もれる。



その原因が、ゆとり教育をはじめとする教育政策のせいなのか、

人口の減少が進んでいるにもかかわらず、

大学の数が多すぎて、競争というプレッシャーがなくなったせいなのか、

豊かさに慣れすぎて、若者に向上心がなくなってしまったせいなのか、

社会や家庭のせいなのか、ひとつの答で説明ができるものではなくて、

たぶん、さまざまな遠因が複雑にからまって、
いまの困った事態を招いているに違いない。


困った事態とは、学生の学力低下という、深刻な話である。


景気に左右されず、毎年、ほぼ同じ数の新卒者(院生も含む)を
採用するというのが、弊社の採用方針なのだが、ここ2、3年、

採用の数が、計画を下回るようになってきたのである。

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私は安易に情報を取得できるインターネットの

おかげだと思っている。


実際、ノートなどもワードダウンロードだし、

論文もネット検索からパクル。


これは、企業自体が学生に何を求めているのか?

の情報発信が無いせいだと思う。


私自身、色々な企業の方と接触するが、

企業が何故、その企業活動を行っているのか?

わからないし、伝わってこない。


例えば、

マクドナルドは、ハンバーガーを通じ、人々にどのような幸福を持ってもらいたいのか?

コカコーラは何故、飲んでもらいたいのか

ソニーはどのような暮らしを豊かな暮らしと定義づけているのか

パナソニックは?みずほ銀行は?


企業が何を目指し、その先に何か学生に共感を

与える哲学の情報発信をWEBを通じて行っているか?


ツイッターがそのためのツールなのか?


私は発信が足りないと思うし、実際企業経営者自信も、

そういったロマンと哲学は持ち合わせていないのだろう。


お金を儲けて、日経新聞に褒められて、有名になって、

社長のいすに座って、家族とリッチな休日を軽井沢やハワイで過ごす。


それが目的でしかないような気がする。


学生の方が、実は本当にそれらを見抜いていて、

でも青い鳥と真実を捜し求めていて


そのような哲学が見えないから、

「仕事が出来ればどこでも良いや!」

なのかも知れない。


私自身、IIJがこの先、どのような幸福を

日本人、世界中の人たちにもたらそうとしているのか、

理解できていない。


つまり、私が面接を受けても、

今時の学生と同じく、落とされるということだ!