ライブドアデパートの平松庚三氏が「囲い込みは古い」と言っている。
顧客をまるで豚や牧畜のように「囲い込み」と表現すること自体私は昔から疑問を持っていたのだが(笑)
ドンペッパーズ・マーサロジャースの意味のあるマーケ新用語を慶応大教授が直訳してしまったのだろう。(笑)
まあ、そんな中で「楽天市場」が気を吐いている。
出店数、流通総額は過去最高を記録し、EC(電子商取引)市場をけん引していると日経新聞のサイトに出ている。
楽天は特段顧客には何もしていない。
ポイントぐらいのもので、ジャンク気味のメールを最近毎日送りつけてくるぐらいのものだ。
Amazonに至ってはポイント制度すらない。配送量も今でこそ無料だが、ついこの前までは有料だった。
WEBサイトでの購入はピンポイント目的買いで男性の購買形態に似ている。
ECやネットの拡大になり、顧客のロイヤリティは「安く、早く、安心」なストアであれば、特にロイヤリティを形成しているのではない。非常におぼろげなものだ。
そういった意味ではロイヤリティと囲い込みという意味は薄れてしまっているのだろう。
つまり、平松氏はWEB時代になると売上の伸びは「囲い込み」とは関係が無いと言いたいのだろう。
しかし、
前にも述べたが「囲い込み」という言葉だけが独り歩きし、はやりすたりと成ってしまった間が否めないし、しかし、自社の構造においてロイヤリティの高い顧客で利益をもたらされている事実は疑いも無いのだ。
百貨店は何百年の歴史があるし、GMSなどは半世紀。
そしてWEBにおいては?
そう。小売業の業態変革は頻繁に訪れる中においても百貨店はまだ大規模な小売市場シェアを保有している。
WEB小売が本当の意味で確立するにはあと十年は必要だろう。
囲い込みは古いという言葉は、あと十年経ってから言うべき言葉だ。
また、顧客の「囲い込み」を単なる宣伝、告知、プロモーション、DM、e-mailだけの戦略で捉えてしまっているからそうなってしまうのだ。
自社でしか提供できない商品、推奨、顧客へのサービス本来の「囲い込み」の根底であり、それらを理解してくれている顧客を識別することにマーケティングの原点があり、適切な利潤を得ながら、企業が適切に成長することにある。
それは稚拙なブランディングと呼ばれる(実はこれも間違い)TV宣伝で売名行為を行って、莫大な利益を奪取することではないのだ。
現在、環境はオーバーストア状態であり、商品的に目新しいもの無く、過去の延長線上の焼き直しのような商材ばかりだ。3Dテレビ、ハイブリッドカー、PDAなどぐらい。
BtoC企業においては、今まで培ってきた戦略の真価が問われる時代に突入している。
本当の意味でのCRMは「囲い込み」とは全く違うし、正しい知識で考えて欲しい。
単に10年程度の成長では「囲い込み」が古いとは言い切れないのだ。
有名人の言葉に踊らされてはいけない。
平松氏は、何しろ小売の経験が少なすぎるのだ。会社の切り売りや株式の大売りは経験が豊富なようですが・・・。