この間、某印刷会社から、間接的に顧客分析のオーダーを受けた。
間接的にということは、その印刷会社もクライアントからのオーダーを受けて、弊社に外注として依頼をしてきた、といえば分りやすいかな。
話は少し長くなるのだが、
分析オーダーの中身は、
■カタログ通販の顧客分析を行い、カタログ配布の最適化による利益化を目指す
■将来的に優位性のある顧客への新商品開発を行うため、顧客特性や購買特性をデータマイニングで導き出すという課題克服オーダーだろうと想定していた。
ところが、いざ分析業務を進める段取りに入ると、
①データの素地を見極めないうちに見積もりを提出してくれとの要請。
⇒データが揃っていなければ分析しても意味無いじゃん!データはシステムから取得できるの?
②個人情報取り扱いについての契約書も交わさず。
⇒この印刷会社、Pマークホルダーの弊社に丸投げするくせに、クライアントと個人情報取り扱い契約書を交わしていない
③しかもクライアント企業の委託元へは再委託の旨を伝えず
⇒さも印刷会社社内で対応するような口ぶりで受託し、丸投げをクライアント告げずに黙っている。
④ファイルのやり取りにメール添付で送り込んでくる
⇒最もデータのやり取りとしては危険な行為だ
などビジネスの進め方が無茶苦茶だ。
まあ、納期もなく時間もないことから見切り発射をせざるを得なくなった。
見切り発射で工数オーバーになるのは自社の責任として業務の作業日数は吸収できるだろうと、
一通り基礎統計を終え、分析結果を構造的に分解してみて、
驚いたことに、
印刷会社が、カタログを送付したいといった部数に顧客の人数が足りないのだ。
いったいこれまで10年も通販を行ってきて、何をやってきたのだろうか・・。
この印刷会社の口車に乗って、必要以上にカタログを印刷し続けたのだろうか?
顧客のマージパージは実施済みと思っていたら、重複しており、同じ顧客に何冊も送って来たのだろう。
皆さんご存知のとおり、カタログ通販は、
■カタログの印刷費などよりも配布費用が莫大に掛かってしまうのだ。
■カタログ配布は必要コストであり、誰も得をしない。通販会社も顧客も得をしない。
クロネコや飛脚、ペリカン、および印刷会社が儲かるだけなのだ。(メール便の場合)
これらの配送業者でさえ、小口の少ない配送量では中途半端で全く旨味もなく、無碍な扱いをするのみである。
印刷会社からのオーダーだから、印刷部数は多く刷りたいだろうが、物理的に顧客がいない。
つまり、無責任通販を誑かし、ビジネスをさせてきたのが、この印刷会社の所業だ。
我々としてもどっちもどっちで、
・印刷会社はカタログを印刷できるのなら敢えて忠告を与えず、放りっ放しにして、
・カタログ通販会社も、何も管理をしてこなかった、いわゆる素人の素人による素人のためのビジネスになっている。
何が腹が立つか?
■通販ビジネスをなめて掛かり、
■自社の在庫品をカタログに掲載して、バラ撒けば、儲かると思っている点だ。
■おそらく経営者もそう思っている
こんなビジネスを嘗めているなら止めてもらった方が良いし、分析してもビジネスの発展に繋がらない。
しかたなく、詳細分析とデータマイニングは全く意味を為さないため、
急遽、こちらからこれ以上の作業遂行のお断りを申し上げ、
その分析コストを顧客獲得のための販促に振り向けるべき!とサジェスッションを行った。
翌日、クライアントから印刷会社を通じて連絡があり、
リスト数不足ならば他にリストがあるために抽出して欲しいとの依頼があった。
でリストを預かったが、
なんと顧客コードがない。
つまり最初に預かったデータ分析リストとマージも行っていないものだったのにも拘らず、
抽出が最低ロット規模になるようにしてくれというオーダーなのだ。
こんなリストは、
■何のパーミッション(許諾)も取得できていないし、
■最悪カタログを送付した場合、顧客からクレームの恐れさえあるわけであり
■クレームが来た場合、どのような抽出をしたのか、責任を問われるのである。
業務はできない!と断固断ると、
印刷会社のしかるべき立場の役職者が、のこのこと顔を出してきて、
こともあろうに
「なぜ、顧客リストの抽出作業まで請け負っているのだ?そんなことはやらなくて良い!」
という命令を部下に下した。
この印刷会社全員が、まるで馬鹿の団体だった。
印刷会社は、扱えもしないデータ分析の仕事にチョロチョロ首を突っ込まず、
印刷の本分たる印刷を無駄なく、納期通りに粛々と行っていれば良いのだ。
仕事の邪魔だ!私の目の前をウロチョロするな!