テレビに経済評論家や大学の教授が出てきて、評論する場合必ず、
「アメリカでは・・」、「欧米では」、等と日本と比較して言う枕詞をよく聞く。
特に税金や年金の話だ。
そんなにアメリカが良いなら、行って暮らせよ!
特にIT関連は、売国奴の如くアメリカ製品ばかりだ。
ITや労働スタイル、食文化や教育まで欧米のことを取り入れようとする姿勢は日本の昔からの特徴のようである。
で、そんな米国や欧州を知ったか、している割に
未だに手形で支払ってくる取引先がある。
手形は日本だけの商慣習だ。経済成長途上では、どのような企業もキャッシュが足りない状態になる。
当たり前の話だ。
しかし、今は非常に金持ちの大企業であるのにも拘らず、手形で支払う企業がある。
印刷会社だ。
自社で手形を印刷しているからせっせとその方式をやめようとしない。
自社がエンドユーザーからの回収力が無いからだ。
で、そのしわ寄せを下請け、外注に付け回ししているのだ。
SOX法だの、BIシステムだの横文字・欧米知識を言うわりに、手形という悪しき日本の商慣習を何の疑問も無く続けているのだ。
15年前の話だが当時SAPを導入しようとしても、手形のモジュールなど無く、カスタマイズすると算出が合わないなどとトラブルを引き起こし、導入を頓挫したプロジェクトを私も見聞きしている。
そんなものは国際会計基準ではないのだ。
資金繰りは銀行が貸し付けて、返済のスピードで企業の体力と評価を表す。何故そうならないのか。
それでこそ銀行の役割や存在意義があるのではないか。
手形は、
・紙代
・管理コスト
・集金に行かないといけない人件費コスト
・手形支払いの際に専属で付かせる経理担当の人件費コスト(まるで、難民キャンプの配給状態)
・手形を銀行に預ける交通費と人件費
・銀行に取られてしまう、手形交換所手続きおよび兌換手数料
精算した仕事以上にこれだけのコストがかかる、全く以って反エコ活動だ。
こんな企業ほど何故なのか、生産性が低い社員が多く居る。
今まで手形活用の企業を見てみると下記の共通項が挙げられる。
■売り先ばかりに目を向け、外注や下請けにたいしては、コンプライアンス違反は常習
■ビジネスプロセスがぐしゃぐしゃ
■ゴマ擦り営業担当が多く、課題解決業務を丸投げ(付加価値が無い)
■社内にビジネスナレッジが無く、担当者の人事異動で、ノウハウが消し飛ぶ
■ディレクション力が無く、権限もないためにコミットが出来ない
と言う特徴が共通して見出せる。単なるガキの遣いが多いということだ。
まあ、同じような例でこのたびの政府の実施した特別給付金もその例だ。
金額はすずめの涙だが、有りがたい部分もある。 しかし、
■封書を印刷したり、送付する郵券費
■振込みを行う銀行振り込み手数料
■管理整理する人件費
■宛名出力のシステム費用
■印刷の紙代、ビジネスフォーマット代
これらを考えるとおそらく、皆さんに支払われた特別給付金と同じぐらいのコストが変動費として掛かっていることが想定される。
つまり、今度は税金として徴収される時、頂いた給付金の倍のお金を税金として徴収されるのだ。
嬉しい、有り難いと喜ぶのはいいけど、構造分解する力を市民は持たなければならない。
今度の選挙で、どこの政党に投票するかで、この構造分解ができるか、全くのアホウかが良く分る。
私は給付金を税金の未払い金として仕分け振り替え、使わないことにした。