ECサイトのCRMとして、フロンドエンドのlog解析とバックエンドの購入データと紐づけを行い、分析を行ったことがある。
ところが、カゴに何を入れたのか肝心のデータがログで取得できないいい加減なECアプリケーションパッケージを使用していたため、紐づけができない問題に直面した。このようなケースが多い。
本当にECパッケージっていい加減に作られているケースが多く、安易な会社にちょっとムッとさせられることがある。
ログインをさせればそれで解決できるはずだが、ユーザービリティを高めるためにログインさせないようにしているサイトもある。
もともと、ECサイトでもバックエンドのライフタイムバリューが高ければ、CPAの効率が低くてもSEM、バナー、アフェリエートの低効率な広告でも選択肢が広がるわけで、現在のEC広告は片手落ちと言わざるを得ない。
また、ログ解析というと、すぐにカゴ落ち、直帰、離脱の話になってしまい、離脱しない顧客=優良可能性顧客がどのようなプロファイルなのかを深く掘り下げていない点も問題があると考えている。
で、肝心のCRMだが、
ある大手通販EC担当者は、ログ解析を行っても仕方がない!と言い切った。
しかも、
「CRMは、リコメンデーションエンジンを搭載し、併買率が上がっているので問題が無い」と大変、的外れな答えが返ってきてビックリさせられた。
CRMとは戦略的に自社の優位性のある顧客を長期間、関係性を強化する企業行動と前のブログで述べたが、
単にその場で購入した人に、販促ドーピングで受注単価を上げさせることがCRMではない。
◆自社の戦略的優位性を持つ顧客をどのウェブキャンペーンで獲得したのか?
だとか
◆どのウェブ上の宣伝施策で獲得できたのか?
を見極めることにより、
どうでもいい顧客(ちょっと語弊があるがチャーンとしましょう)を100人獲得するよりもバリューの高い顧客を10人獲得する宣伝施策を小規模であっても強化することが重要になるからだということを理解していない。
結局、ECは皆がAmazon、Yahoo、楽天を目指しているみたいだけど、彼らの保有リストはNTTの電話帳みたいなもので、特定のブランドにロイヤリティを示すのはごく一部だし、後発のECは絶対に先発を追い越すことはできない。(大手がコンプライアンス大ミスで自滅という例外はあるが)
その場合は、戦略なんてただただ成長することだけだが、
多くのECは自社の何らかの特徴と独自性を持たなければ、生き残れないはず。
今後は「WEBだから先進的で格好良い小売」だけでは、生き残れず、きちんとした自社独自性の確立と戦略的優位性顧客の獲得、それに連動したクロスメディアによる宣伝施策が求められるはず。
WEB関連に従事する皆さん、決して大手に負けないように頑張ってください。
必要なのは利益であり、規模ではありません。