外回りの営業から敬遠されている地区がありました。
まず犬の放し飼いが多い地区で、犬に吠えられたり、噛み付かれることがありました。
集金の自転車やホンダカブの前に急に飛び出す手口の当たり屋が出没する地区でしたが、彼は犬に好かれ、じゃれてズボンを汚されることはあっても、吠えられたことはありませんでした。
犬は飼い主の発する電磁波を100mはなれた距離からでも感じて反応すると聞きますが、彼には犬に対する友好の電磁波が出ているらしく、被害を受けたことがありませんでしたし、当たり屋に遭遇したこともありませんでした。
彼が街を通ると、お好み屋さん、天婦羅屋さん、一膳飯屋さんが、
「兄ちゃん、食べて行き!」
とご馳走してくれました。
彼は決してもてるタイプの男ではありません。
男がもてない三大条件である、ハゲ、デブ、チビは当てはまりました。
しかし、決してケチでフケツではなく、おおらかで、マメであったことが、三大欠点を帳消しにして余りあったのかもしれません。
彼は或る日、新規開拓の暗示を受けました。彼の属する新長田支店のテリトリーと隣の神戸支店のテリトリーの接点地帯が、どちらの店も手が回らない員空地帯であることに気づきました。
その中でも手つかずの地点である遊里の福原地区へ足を踏み入れていきました。
そこで見つけたお客様とは・・・
乞うご期待!