駿河の国丸子宿
仁「京都まであとどれぐらいで着きますかね? 」
佐分利「10日ぐらいちゃいますか?」
仁「10日かぁ~」
仁「私だけ先に行ってもいいですか? 」
佐分利「何言うてはるんですか?」
(部屋の外から)
咲「南方先生、佐分利先生、よろしいですか? 」
佐分利「どうぞ」
咲「診てほしいと村の方がいらっしゃってますが」
仁「えっ? 」
咲「ここは医者のおらぬ村のようで
礼もあまりできないけれどなんとかお願いできぬかと」
佐分利「よっしゃ!ほな行きまひょ!先生」
仁「咲さん、佐分利先生、私はこのまま先に行こうかと・・・」
佐分利「夜の街道を歩くつもりでっか?アホ言わんといてください。」
仁「はい」
宿で文を書く恭太郎
恭太郎「訳は申せませぬが、
私が最後まで徳川の家臣として生き死んでいったこと
それだけは確かで」
榊原「少しよいか?」
竹越「どうやら隣の宿に南方の一行が泊まっておるようだ」
榊原「南方の文は坂本に暗殺を前ぶれするようなものであったし・・・・
あやつら坂本に会いにいくに違いない。探ってまいれ。」
恭太郎「はっ」
宿の前で
佐分利「お待たせしました」
村人「ありがとうございます。さあさあ」
恭太郎「咲では、ないか」
咲「あっ 兄上」
仁「恭太郎さん、どうしてここに? 」
恭太郎「お役目で京に書状を届けることに・・・先生方は?」
佐分利「松本良順先生からのお頼みで、
病人を治すために京へ向かうところなんです。」
恭太郎「京に?」
仁「恭太郎さんすいません。村で患者さんが待ってるんで」
恭太郎「お急ぎのところ申し訳ございませぬが
少し咲と話がしたいのですが・・・」
村人たちのいるお堂に向かう途中
佐分利「先生、私言うたらいかんこと言いました?」
仁「いえ大丈夫です。 」
村人「さあ先生方どうぞどうぞこちらへ」
患者のいるお堂に案内する村人
仁「無医村かぁ」
咲「あの・・・兄上はお一人なのですか? 」
恭太郎「そのようなことより咲。
橘の家に戻ることを考えてくれぬか」
咲「えっ? 」
恭太郎「先生さえ よいとおっしゃるなら
共に戻っていただいてはどうだ?」
咲「ちゃかさないでくださいまし、
なにうえに急にそのようなことを」
恭太郎「あのころは楽しかったと思うてな。
お前がいて 南方先生がいて、
勝先生や緒方先生、坂本殿もさまざまな方が
橘の家を訪ねて来られて・・
このごろは時を巻き戻せぬものかとよく思う」
咲「兄上」
恭太郎「口には出されぬが、
母上もお前と暮らすことを望んでおられると思うぞ」
咲「考えてみます」
村人を治療する仁
仁「あと少しですよ」
翌朝、再び旅立つ仁と咲と佐分利
佐分利「まだ鳥もないてまへんで」
恭太郎「おはようございます」
仁「恭太郎さん。見送りに来てくれたんですか? 」
恭太郎「先生に一つお願いがございまして」
仁「私にですか? 」
恭太郎「咲をよろしくお願いします」
仁「はい!ちゃんと危なくないように注意を」
恭太郎「末長くよろしくお願いします」
仁「はっ? 」
咲「すみません先生、お忘れくださいませ」
仁「はい」
佐分利「忘れるんでっか!?」
仁「あっ・・あ」
咲「まいりましょう!先生! 」
恭太郎に近づく監視役?
榊原「見失わぬよう我らもたつぞ」
恭太郎「はい」
③につづく
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今回の私めののツボシーン
ワンスモアぁ~(once more)
咲「すみません先生、お忘れくださいませ」
仁「はい」
佐分利「忘れるんでっか!?」




