台風30号が、フィリピン史上、最多の死亡者を出した台風として記録される可能性が出てきました。報道されているように、死者数は1万人を超える恐れがあります。
現在までの記録は下記のとおりです。一番被害が大きかった 1991年でも数千人の単位です。今回の惨状がどれだけひどいものであったのかがうかがえます。
<死亡者数の多い台風>Wikiより
位 年月 死亡者
1.1991年11月 5,101-8,000人
2.1867年9月 1,800
3.2004年11月 1,593
4.1897年10月 1,500
5.1984年9月 1,492
6.2008年6月 1,410
7.2008年11月 1,399
8.2011年12月 1,268
9.2012年12月 1,246
今回の台風は、上陸時に中心気圧が895ヘクトパスカルまで下がりました。これほど低い台風はめったに発生するものではありません。発生したとしても、そのまま上陸することは過去ほとんどありませんでした。瞬間的には90メートルもの風が吹いたと推定されます。竜巻並みの相当な風です。
被害がこれほど広がった理由は、こうして台風自体が猛烈な勢力であったこと以外に、場所が関係しています。
台風の中心が通過したフィリピン中部のビサヤは何千もの島々から成っています。海岸線がいりくんでいるので、波や高潮がさらにひどくなりました。
そして、一番被害のひどかったサマール島やレイテ島はビサヤでも南に位置しています。フィリピンは南ほど台風が少なく、住民も建物も台風の被害を想定した準備や備えが出来ていないのです。
それを露呈した台風がありました。
上記の表の2011年12月の台風を見てください。これは中心気圧992hPaでミンダナオ島(南)に上陸しました。その時の最大風速は約25メートル。決して勢力の強い台風ではありませんでしたが、それでも1000名以上の死者を出しました。
これほどまでの被害が出た理由はまさに、上陸した場所でした。
フィリピンは世界の中で最も台風が上陸する国です。(※2012年は中国が上回った)平均で6から9つの台風が上陸します。(ちなみに日本は3個)
特にフィリピン北部・ルソン島の北部、フィリピン中部ビサヤの東部に上陸することが多いです。そのため、この地域は人口が少なくなっています。人口が密集しているマニラはルソン島でも西部に位置しています。

北部には台風が直撃することが多いので、建築や住民の日ごろの備えがしっかりしていますが、南部はそうではありません。南部に台風がやってくると被害は非常に大きくなりやすくなります。
実は近年、フィリピン南部のミンダナオ島に上陸する台風が増加傾向にあります。1996年から2010年までの記録によると6個の台風が襲ったのに対し、2011年から2013年の3年ですでに4つも上陸しています。さらに今現在、熱帯低気圧がミンダナオを通過中です。(2013年11月12日)
<台風30号の雲画像(NASAより)↓>
