純真さ。
【盲目の仔犬】
幼稚園に通う二人の女の子が川で遊んでいるとき、ダンボール箱が流れて来たのに気づきました。
岸にあげて中を見てみると、小さな仔犬が入っていました。
二人がその仔犬を箱から出してあげると、その仔犬は同じところをクルクルと回ってばかりいました。
同じところを回る理由は、この仔犬の目が見えないからでした。
二人の女の子は、
「へんな犬だね」
と言いながら、一人の女の子の家に犬を連れて帰るのですが、
お母さんに
「団地だから飼えない」
と言われてしまいます。
お母さんに戻してくるように言われた二人は、仕方がないので川に仔犬を戻しに来たのですが、置いて立ち去ろうとしたときに仔犬が、
「クンクン…」
と悲しげに鳴くのを聞いて、どうしても捨てることができませんでした。
二人は大人に内緒で、仔犬を団地の駐車場で飼うことにしました。
その後、何日かがんばって世話をするのですが、幼稚園児の二人では限界があります。
繋いでいたひもが首に絡まって、苦しそうにしている仔犬を見た二人は、このままでは仔犬が死んでしまうと思って、管理人のおじさんに相談します。
おじさんは何とかしてあげたくて、団地の人達に集まってもらうと、
「この仔犬は目が見えないので、捨てたらすぐに死んでしまう。
子どもたちと一緒に責任を持って飼うので、団地の隅に小屋を建てて飼わせてほしい」
と訴えました。
しかし、集まった人達は、
「規則は規則だから」
と言って、なかなか認めようとしてくれません。
管理人のおじさんも無理だと思ってあきらめかけたときに、女の子が立ち上がって、
「どうして、助けちゃいけないの!
盲導犬は目の見えない人を助けてくれるでしょ…
それなのに、人がどうして目の見えない犬を助けちゃいけないの…」
と泣きながら叫びました。
この質問に答えられる人は、誰もいませんでした。
そして、今まで反対していた一人が、
「分かりました」
と言うと、集まった人達から、賛成の拍手がパラパラと起き始め、やがて大きな拍手になりました。
この物語は『仔犬ダンの物語』という映画になって、多くの人に感動を与えました。
命が大切なことを小さな二人の女の子が、日本中に伝えることになったと思います。
今 大人になった自分がこんなに当り前の人としての感情を
子供のころと同じように感じられているのだろうか・・・。
大人が世間体で作った規則 決まりにとらわれて大事な
「人としての感情」
をわすれてしまっているのではないかと不安になってしまいました。
当り前の事を当たり前に感じ 行動する。
必ず実践します。
代表 あらかわ