先日の夏のような暑さはどこかへ行き、爽やかな天気が続いているパレルモから、ボンジョルノ。

 

 

楽しいことにスポット当てて日々暮らすように心がけています。

メンタルがやられると、やっぱり日常にも自分の製作仕事にも影響大なので・・・

困った問題(現状の別居問題諸々)です。

 

 

さてさて、数日前に息子から意外な希望を聞きました。

 

「Panino con la milzaを食べてみたい!」

 

パレルモの名物料理『Panino con la milza パニーノ コン ミルザ』と言って、脾臓を使ったサンドイッチです。屋台料理でありパレルモを代表するストリートフードの一つ。

 

 

美味しそう!食べてみたい!とは、なかなかならないような見た目。どちらかというと、興味本位で食べてみようかな・・・みたいなパニーノです。

 

私も、何度か食べたことはありますが普段の日常では食べません。

 

日本や県外から来た友人たちと一緒に、パレルモ観光の一環で食べるくらいです。

義実家でもメニューとしてテーブルに出てきたことはありませんし、パレルミターニでも、やはりモツ料理とあってクセもあるし苦手だー!って話もよく聞きます。私は、フィレンツェのトリッパやランプレドットは大好物(時々無性に食べたくなる)ですから、このパニーノも普通に食べれます。でもこの脾臓パニーノは、誰かが食べてみたいと言った時くらいしか食べませんが・・・。

 

息子の話に戻すと

 

食べ物に関してチャレンジをあまりしない息子が、見た目的にも・・・な、『Panino con la milza パニーノ コン ミルザ』を食べてみたい!と言ったことがとっても意外だったのです。

 

学校が休みの週末土曜日に、食べに行くことにしました。

さぁ、どこの『Panino con la milza パニーノ コン ミルザ』を食べさせようかと、いつものお店(ここも有名)へ向かうと長蛇の列。そこは諦めて、別の有名店へ向かいました。

 

レストランも併設しており、外席はカメリエーレがサービスしてくれる。

 

 

Antica Focacceria San Francesco 

(アンティーカ・フォカッチェリーア・サン フランチェスコ)

 

 

 

旧市街地にあり1834年からあるお店です。

当時の創設者はマフィアを非難しみかじめ料などを払わないといった勇気ある行動をり、パレルモで最も有名で重要なお店なのです。

 

ドラムのような鍋にお目当てのミルザ(脾臓)がラードの海の中でフツフツと泳いでいました。

 

店内に入ると・・・パニーノを作ってくれるキッチンだカウンターが目に飛び込んでくる。今回、お目当てはパニーノだけだったので、レストランではなくセルフサービスでいただきました。モツが苦手でも他の庶民的なお料理から、レストランのメニューもいただけます。

 

セルフサービスエリアでの食事だったのに、混雑していなかったこともあってスタッフのおじさんがテーブルまで持ってきてくれたのでした。そのおじさんは自分のルーツに日本の血が混ざっているんだよーと、話してくれたり楽しいおまけつき。

 

 

 

 

子牛の脾臓(お店によっては肺や気管も入っているとか)を茹でるか蒸したものを薄くスライスしてから、スープに浸っているのではなく、たっぷりのラードの中で長時間揚げられているのです。これ自体にこの段階では何にも味付けはされていませんし、美味しいの??って思いますよね。

 

ゴマのついたパンに、ミルザとカッチョカバッロチーズ(もしくはリコッタチーズ)、塩胡椒と一緒に挟んでくれます。この場合、『maritatu マリタートゥ』と言って別のものと一緒に(結婚する)を意味します。

 

レモンはつけるか?と聞かれるので、ぜひ付けることをオススメします!

なぜなら少し臭み消しにもなるし、さっぱりして最後まで美味しくいただけるはず。

 

 

 

歴史はかなり古い食べ物で中世にまで遡ります。

L'origine di questa pietanza si fa risalire al medioevo, quando gli ebrei palermitani impegnati nella macellazione della carne, non potendo venire retribuiti per precetto religioso, trattenevano come ricompensa le interiora che rivendevano come farcitura insieme a pane e formaggio. Cacciati da Ferdinando II d'Aragona detto il Cattolico, questa attività venne continuata dai caciottari palermitani. In realtà, il consumo di interiora, particolarmente diffuso a Palermo, è tipico di quelle comunità dove, al consumo di carne dovuto alla presenza di famiglie nobiliari, corrispondeva un utilizzo degli scarti della macellazione da parte del popolo.

 

この料理の起源は中世にまで遡ります。当時、肉の解体に携わっていたパレルモのユダヤ人が、宗教上の戒律により給料を受け取ることができず、報酬として内臓を保管し、パンやチーズと一緒に詰め物として転売していました。 カトリック教徒として知られるアラゴン王フェルディナンド2世によって追放されたが、この活動はパレルモ・カチョタリによって引き継がれた。 実際、特にパレルモで広まっている内臓の消費は、高貴な家族の存在による肉の消費が人々による屠殺廃棄物の使用に相当するコミュニティの典型的なものである。

ーWikipediaより抜粋ー

 

 

 

このミルザ自体味はついていないため、調味料は塩胡椒にレモン、maritatuならばチーズでとってもシンプルなのです。だから、お店を間違うと臭くて食べれない!といったこともよくある話だと思います。

 

いざ!実食!!

 

息子もドキドキ、ワクワクのひと口目。

 

 

「う〜ん!美味しいやん♡」と一言、ご満悦でした。

 

わー無理っていうかと想像して、ひとり一個注文したの間違ったかなーと思っていたから、この一言には驚きでした。一個が大きかったのもあり、ほんの少し残しましたがほぼ完食しましたよ!

 

 

まさか、クセのあるミルザを美味しいといって食べる日が来るとは〜パレルモの歴史を食べた日。息子自身も、新しいものを知った喜びもあって楽しいランチとなりました。

 

ミルザのパニーノは、当分いらないわー(私)笑
 

 

 
 

パレルモ以外の街でも食べることができますよ!

イタリア国内で店舗展開増えていてびっくりしました。