1ドルのジレンマ | 適齢期の憂鬱

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或る晩、三人の旅人が一軒のホテルに泊まることになった。
一部屋一泊30ドル。
三人は一人10ドルずつ出し合ってボーイに渡し皆で仲良くその部屋に泊まった。

翌朝、このホテルのオーナーが出勤し帳簿を見てボーイに言った。
「おい、あの部屋は一泊25ドルだぞ。今すぐ5ドルを返してきなさい」
人の良いオーナーと違い、ボーイはそれほど良心的な人間ではなかった。
三人に5ドル返してもややこしくなるだけだろう。

ボーイはこう考えると2ドルを自分のポケットに入れ、3ドルを持って旅人たちの部屋に向った。
「当方の手違いで宿泊料金を多く受け取っていました」
ボーイは2ドルネコババし、三人にそれぞれ1ドルずつ返した。
旅人たちは何も知らずボーイに礼を言いホテルを後にした。
うまくやったとにやにやしながらポケットの中の2ドルを玩んでいたボーイだったが、
しばらくしてふとおかしな事に気がついた。

ちょっと待てよ…、最初、旅人達は三人で30ドル、一人10ドルずつ払ったよな…。
俺が3ドル持っていって一人1ドルずつ返したから、
10ドル-1ドルで結局一人9ドルを払ったことになる。
3人×9ドルだから、彼らが出した金額は全部で27ドル。
俺のポケットの中には今2ドル入っている…。
それを足すと29ドル…、最初払ったのは30ドル…。

…残りの1ドルは何処へ消えたんだ?