古い友人に≪呑み行くべ≫と誘いを受け、
母校(高校)のあった街に繰り出しました。
この友人とは、
彼が雇用人で、自分が職人になったこともあるし
彼が従業員で、自分がが社長になったこともある。
彼が生徒で、自分が先生になったこともあったなぁ…
一緒に会社を作って、共同経営者になったこともある奴。
クサレ縁ですな。
かなり久々にあったので、昔の思い出話から 最近のビジネス談義まで。
『ちょろっと稼いだからって、ブランドのスーツを買ったり
高級車買うような起業家は絶対に成功しないね』
『自分が稼いだ金を、自分のお金と思っちゃいけない。
次なる利益の呼び水に使わないと』
『素人には「ビジネスには経費が必要だ」と偉そうに言うくせに、
自分の利益はひたすら貯め込む奴が多い』
『社会貢献して、周りに認められて初めて≪社会人≫じゃね?』
かなり毒舌的に熱く語ってきました。 歳でしょうか(笑)
でも、今回呑みに誘われたのは、彼いわく≪お礼≫だとの事。
その昔、彼が勤めていた会社が計画倒産。
その頃は建築会社の専務として、BMWに乗り、高級マンションに住んでいた
彼が一夜にして6000万円の借金を押し付けられた。
彼以外の上層部はすべてグル。
弁護士に相談しても、どうしようもなく自己破産するしかなかった彼。
そんな奴を助けたくて、同時期に離婚して何も無くなった俺と
まぁ、お互い金も無かったけど二人で会社を作った。
月5万円で、壁と屋根しかない倉庫を借りて(でも土地は200坪!)
内装を自分たちで仕上げて。
手作りの看板を掲げて。
そのうち友人が2人合流して、毎日朝から晩まで必死に営業してまわって。
帰ってきたら事務所で安焼酎で晩酌、そのまま事務所泊。
当時は当然風呂なんてないから、
全裸になって外の水道で水浴び…で通報されたり←マジ話(笑)
今思えば、一番楽しかった時期ですねぇ…
その後、合流してた2人は別々の道に。
自分も新しい仕事の為に離脱。
それから彼はずっと一人で頑張ってきました。
それが今回
『やっと俺、喪が明けるんだよ』と。
自己破産してから、もうそれくらい時間がたつんだね…
(現在の会社は奥さん名義です)
何度も何度も感謝の言葉を口にする彼。
『あの時、マッシュが声かけてくれなかったら 多分おれ死んでたよ』
そんなたいそうな事をしたつもりもない。
ただ、一生懸命遊んで、一生懸命仕事した戦友なだけ。
それでも懐かしかったなぁ。
今後、二人でまた組んで何かやろうと
そんな計画もいくつか出ました。
また新しい波ができそうです。
そんな無一文で≪死≫をも覚悟した彼。
たった一人で頑張り、
昨年の年商は2億円。住民税は300万円を超えたらしい。
『そろそろ株式会社にでもすれば?社員とって』
と聞いた自分にむかって、彼が爆笑しながら言った言葉は…
『もう懲りたよ(笑) 背伸びして、見得張っても何も残らない。
自分をスゲェ奴に見せたところで、人はそんなにバカじゃない。
評価は人が下す。
カッコつけて、忙しい忙しいとか連発するような奴になるくらいなら、
俺は涼しい顔してドロ臭い作業をする方が性に合ってるな』
≪涼しい顔してドロ臭い作業をする≫
なんだか、これからの自分のキーワードになりそうです。
その日の帰り、2人で呑んだ料金12000円。
彼が奢ってくれました。
≪嬉しいよ。俺も奢れる時がきたよ≫
そう言いながら、彼はまた豪快に笑って帰っていきました。
年商2億円、住民税300万円の男にご馳走された
6000円。 本当に嬉しかったなぁ…
お読みくださってありがとうございました。