眠りに落ちてもすぐに目が覚めます。
次に目覚めた時は暑くて暑くて。
「暑いー!」
というと看護師さんが、あらあらしょうがないわね(笑)といった感じで「今度は暑いの?じゃあ、電気毛布外すー?」と聞いてきます。
「外すー」
「それともこのままで電気だけ切ろうか?」
「切るー」
もうこんな会話しかできません。
両足に巻かれたフットポンプが足をギューッと締めつけ、シューと緩めての繰り返し。しばらく動かなくなると「あれ?壊れちゃったのかな?」と心配になりました。
翌日気づきましたが、右手甲と左手甲の親指下と薬指下の3か所に点滴ルートが取られていました。部屋に戻ってからも使っていたルートは薬指下の(手術室で針を刺された時にがん見していたところ)ものでした。そこに抗生剤と必要栄養素の点滴が2本。
そして、鼻に酸素。特に嫌な感じはありませんでした。
背中の硬膜外麻酔を自分で追加できる管とスイッチ。
それから尿カテーテル。
これらが体についていました。尿カテは不快感や痛みを感じる人もいますが、私はどちらも全く感じませんでした。きっと入れてくれた人の腕が良かったのでしょう。
このたくさんの管が邪魔で鬱陶しくて。
「立膝してもいいですか?」
手術中に喉に管が入っていた影響でかすれ声しか出ません。痰が絡んでいるのを感じましたが、咳が出たら傷に響いて地獄だし、吸引してもらうのも辛そうだし、しばらく喉の奥にそーっと置いておくことにしました。そうすれば悪さはしなさそうだったので。
「立膝できるー?いいよー」
膝を曲げ足を引き上げます。この足が重いのなんの!
ズルズルと引き上げて両膝を立てることができ、少しだけ楽になりました。またすぐに辛くなりますが。
立膝はすぐにできましたが、寝返りは傷の痛みでできませんでした。
でも、ずっと仰向けに寝ているので腰が痛くて痛くて。
ちょっと体を右に傾けて背中にクッションを挟んでもらいました。
体勢を維持することができないので、左手でベッドの右側の柵を必死で掴んでいました。
が、次第にこの姿勢も辛くなってきます。
どう頑張っても左には体を傾けることができず、結局仰向けと右に少し傾けるの繰り返し。
動くので管は絡み合いそれがまた邪魔になり。
この後、菅の絡みは何度も直してもらうことになります。
何度目覚めても外は真っ暗。時間がわからないのも辛かった。
そこで、回らない頭で考えました。
看護師さんが2時間おきに来てくれる(この時点ですでに間違い)→4回は来てくれたから8時間経ってる→部屋に戻ったのが夜8時だから、今は午前4時→もうすぐ夜明けだー!
またすぐに看護師さんが来てくれたので今何時か聞きました。
すると「午前1時ですよ」とまさかの驚愕の返事が。
「まだぁ?!」
「時間経つの遅いですよねー」
このときの絶望感ったら(涙)
よく考えれば、手術直後の患者を2時間に1回しか見ないなんてありえません。
1時間毎に来てはバイタルチェックをしてくれていました。
ずっと同じ看護師さんが頻繁に見てくれてとても心強かったです。
翌日きちんとお礼が言えました
時間が知りたかったので、床頭台の鍵を渡し、スマホを出してもらいました。
「足のポンプが嫌な感じでしょう?」
「気持ちいいー」
「そうなの?ほとんどの人が嫌がるけど(笑)」
「うちにもこういうのあるからー」
「そうなんだ!」
こんな会話もしました。
傷が痛むので、左手に握らされたカチカチボタンを押して自分で麻酔を何回か追加しました。
右手にはナースコールのスイッチを握らされました
これが上手くできていて、30分に1回しか押せないようになっています。
すると今度は、麻酔の副作用で気持ち悪くなってきます。
もう踏んだり蹴ったり。
「気持ち悪いー」
「吐きそう?」
「吐かないー」
「じゃあ、吐き気止めの薬を入れますね」
点滴に入れてもらいしばらくすると吐き気が治まりました。
が、後にまたこの吐き気が襲ってきます
ほとんど眠れない中、病室の天井に光が当たりはじめ、ようやく外が明るくなってきたのを感じました。
まさに希望の光でした。
朝が来たからといって何かが急激に変わるわけではないけど、やはり夜の暗い時間はかなり堪えました。