中に入ると手術着姿の人達が20人くらいいました。

もっと少ない人数を想像していました。私の手術にこんなに多くの人が関わってくれているんだと改めて思いました。

みんなおしゃべりしながら作業をしていてとても和んだ雰囲気でした。

ちなみに、執刀医H医師、チームBと書かれていました。

チームBのみなさん、どうぞよろしくお願いします。


手術室の象徴ともいえるあのライトを探しましたが見当たりませんでした。ちょっとガッカリ。

麻酔がかかるまでは大きな機械類は用意しないみたいですね。

手術室を生で見る機会はそうないので(あって欲しくない)今のうちに色々見ていこうとキョロキョロしましたが、ほとんど覚えていません。


手術室で流れている音楽の話をよく目にしていたので、ここではどんな音楽が流れているのだろうと意識をそちらに持っていくと、ピアノのスタンダードジャズだったような?

「あーこの曲!知ってる!」

今ではなんの曲だったかさっぱり思い出せません。


「ちょっと狭いですけど、気を付けてくださいね」

オペ看について室内を進みます。

部屋は思ったほど広なく、全体的に緑色だった気がします。

みなさんの術着も緑色だったような?

H医師がどこにいたのかわかりませんでした。

直前にもう一度会いたかったな。


手術台のところまで来ました。

幅50cmくらいかな?

横棒が少し下がったTの字をしています。

横棒部分に左右の腕を乗せることが想像できます。

「じゃあ、まずここに腰掛けてもらって、頭をこっちにして仰向けになってください」

言われた通りに横になります。

フワフワのベッドではありませんでした。

あれ?靴はたしかここで脱いだと思うけど記憶はありません。


横になると術着の肩の辺りのマジックテープをはがされ肌オープン。

すぐにバスタオルをかけてくれて恥ずかしくないようにしてくれます。

心電図をパパッとつけられて、プップップッと心電図モニターの音が鳴り始めます。

あー私の心臓の音なんだーと思いました。

右腕に血圧計がつけられました。

先輩方のブログにもありましたが、

ここまで迅速であっという間!

さらに右側に麻酔科医のI医師が腰掛けます。

オペ看に

「じゃあね、左側を下にして横向きになりましょうか。狭いのでゆっくりでいいですよ」と言われて、モソモソと横向きになります。

すると左手の先に別の男性医師が腰掛けます。

さらにオペ看に

「このまま、後ろに下がりましょうか。後ろには先生がいるので落ちたりしないから安心してください」

と言われてズリズリと後ろへ移動します。


術着の背中部分を開けられて背中がオープンに。

あぁ、いよいよ硬膜外麻酔かー!

実はこの硬膜外麻酔が一番気になっていました。

「膝を抱える感じで丸くなりましょう」

オペ看に言われたように丸くなります。

「そうそう、いいですよ〜。」

入院中は何かといちいち褒めてくれるのが嬉しかったです。

I「じゃあ背中を消毒しますね。ちょっと冷たいですよ」

消毒の範囲が長くて硬膜外麻酔の管の長さを想像させます。

I「はい、背中に紙を貼りますね」

大きいフィルム紙のようなものを貼られました。

あーもう逃げられない!と思った記憶があります。

逃げる気はありませんでしたが。


I「麻酔の注射しますね。ちょっと痛いですよ」

背中がほんのすこしチクッとしただけでしたが、背中に注射なんてしたことないのでビクッとしてしまいました。


この時、同時進行で左手の先に座った男性医師が点滴のルートを取り始めます。

肘の内側をさすったり、グーパーするように言われてグーパーしましたがダメだったようで、私の手の甲を見始めます。

あー手の甲かー!

みんな痛がってたよなー!

入院中でこれが一番痛かったって言ってた人もいたなー!

いつもは針を刺すところは見ないようにしているのですが、眼の前で行われている行為なのでガン見してしまいました。

そして薬指から下がったところにある血管に針が!!キャー!!!

あ?あれ?全然痛くない!

痛くないよー!と心の中で喜びました。


その一方、背中の方では

I「麻酔の管を入れていきますよ〜肩はまっすぐにしてください」

右肩を起こされます。さらにオペ看が左手で私の膝を、右手で私の方を押さえます。

ここからが地味〜に痛かったです。

確かに麻酔は効いてるけど、管が入るなんともいえない感覚や、I医師がグイッ グイッと背中の上から管を押す感覚や、時々チクッとする感じが嫌で早く終わらないかと思っていました。

思わず「痛っ」と小さく言うとすかさずオペ看が「はい、痛いです」とI医師に伝えてくれました。

I「痛いですか?麻酔追加しますね」

どうしても肩が前に丸くなってしまうようで何回か姿勢を正されました。顔を下に向けないといいそうですが・・・でも、怖いからどうしても小さくなろうとしてしまうのです。


点滴ルートが確保された左手の先では、女性2人が楽しそうにおしゃべりしながら滅菌パックされた袋から長い金属棒を取り出していました。

その袋の開け方も中身の取り出し方もテレビドラマで見るのと同じで、同じだーって変に感動したり。

正確にはドラマが現場と同じなんですけど。

あれが腹腔鏡下で使う鉗子なんだ。長いなー。シザーハンズの指になりそうだなー。


そうこうしているうちに、無事に硬膜外麻酔の管が入ったようで、背中にガムテープのようなものを貼られました。テープの長さからも管の長さを感じました。


誰かに仰向けになるように言われて仰向けになると頭のところに男性医師が腰掛けます。

前日に手術に参加させて欲しいと言ってた歯科医だとすぐにわかりました。

口にマスクを当てられました。

思っていた以上に厚いマスクで密着度が半端なかったです。

タラコくちびるでできたマスクみたいと思いました。

その密着度に息苦しさを感じて(実際には苦しくない)嫌だー!と思いました。歯科医も緊張しているのか、マスクを押さえる手が安定しないのか、マスクがグラグラして時々口とマスクの間に隙間ができて、ちょっと!大丈夫?!と思いました。

「酸素入れていきますね」

あ、全然苦しくない。良かった。

「はい、麻酔入りますね〜」

ん?なんか匂いがあるなぁ。

これが麻酔の匂いかー。

あれ?意識まだしっかりあるよ?

大丈夫かな?

心配で一生懸命呼吸しました。

どうしよう!どうしよう!

意識が無くならないんてすけど!

「はい、ゆーっくり深呼吸しましょう」

もうしてるよー!数を数えるって言わないんだー!

スーハースー・・・


ちゃんと意識がなくなりました。