私は先日

少し体調を崩した

 

崩したと言っても

熱が出たわけではなく、とにかく喉が痛い。

しかし、このご時世だ。

 

「少し体調悪いんですけど、僕的には大丈夫なんでがんばって働きます、偉いでしょ?」

的な、一昔前、というよりも一昨年まで蔓延していた、そういう類の理論は

もう通用しない世の中になっている。


 

とにかく声が出ない。

喉が焼けるように痛い。

ハチミツ檸檬を飲んだことで、劇的に良くはなったが

一応私は、東京都の発熱相談ダイヤルなる物に電話をした。

 

お姉さん「こちら東京都発熱相談センターです。」

私「喉が痛く、声が出ません。まずいでしょうか?」

お姉さん「熱はありますか?」

私「ありません。」

お姉さん「濃厚接触など、その他感染が疑われる事象はありますか?」

私「ありません」

お姉さん「味覚・嗅覚に異常はありますか?」

私「昨日食べたラーメンにはニンニクをたくさん入れて食べて、ほとんどニンニクの味でしたが美味しかったです。」

お姉さん「・・・・感染の可能性は低いので、もしも辛いようでしたら近所のかかりつけ医を受診して、薬を処方して貰ってください」

私「あ、はい。安心しました。良かったです。ありがとうございます。」

 

というような会話をした。

 

しかし

もしも

万が一

お客様や社員の方に迷惑をかけてしまったら大変なので

 

一応病院に行って

「あの厄介者に感染したわけではないですよ」と言って貰ってからでなければ

全力で働くことはできない。


 

というわけで

念には念を入れて病院に行き、

受付で

状況を説明する。

 

 

声がほとんど出ないので

ものすごーい小声で

囁くように。

「ハジメテデス。

ノドがイタクて・・・・コエガデマセン」


 

看護婦さんは頷き

私に初診受付の記入用紙を手渡す。

 

住所などを記入した後に症状を記入

「喉が痛く声が出ません。」

 

するとその下に確認事項があった。



 

確認事項1

直近2週間で37.5度以上の発熱がありましたか?


 

いいえ


 

確認事項2

直近2週間で新型コロナウィルスに罹患した方と濃厚に接触されましたか?


 

濃厚に接触されましたか?

という文言に少しドキドキしたが

 

いいえ


 

確認事項3

喉の痛み、寒さなど、体調不良が疑われる症状はありますか



 



 

わぉ

白橋さんパニック


 

しかもその下には

※上記の□はいに該当される患者様は

当院の判断により診療をお断りする場合がございます


 

え?

えぇ???


 

なぜーーーーーーーーーー!


 

病院て

体調が悪くなったときに来るところなのではないのか、、、?


 

先生「今日はどうされましたか?」

患者「今日はすごく体調が良いんです。体調不良を疑う要因など何もありません」

先生「それは良かったですね!ではまた体調が良い時にいらっしゃってください」

患者「はーい」






 

お医者さんごっこ!!!!

 

いや、ごっこでももっとちゃんとしている





 

「どうせバレないから良いや。「いいえ」にチェックつけちゃおう!

 

えい!」

 

とかじゃない

それを治しに来ている



 

悩ましい

 

悩ましい



 

もしも

はい

と答えて


 

きゃー

コロナよ

 

こいつコロナよー


 

的な目線をいただくのはご勘弁願いたい


 

しかし

しかしだ


 

いいえ

と言ったら

 

体調万全ですので、別に大丈夫です

受診前の問診票で堂々と宣言してしまう



 

来た意味ないじゃないの






 

少し悩んだ挙句

自分にはいつも正直にいよう

ということになり


 

はい

にチェックをつけた



 

少し緊張しながら受付に問診票を出す白橋

看護婦さんはそれを手に取った

「ご記入ありがとうございます。」

無機質なバインダーに挟まれた一枚の問診票は、優しい看護婦さんの射抜くような視線に晒される。「紙の上に書いてある情報は全て私が取締る」と言わんばかりのその視線は、そのチェックもすぐに見抜き、口を開いた。

 

「喉はどのくらい痛いですか?」

 

令和の世の中において、これほど難しい質問が存在したとは、正直驚きだ。

「喉が痛くて、声が出ません。」と伝えて、どのくらい?と聞かれたら

「声が出ないくらい、喉が痛いです。」以外にどのように答えようがあろうか。

 

それとも幼稚園児に、例えば「今日の遠足はどのくらい楽しかった?」と聞いたら、腕をいっぱいに回しながら「こーんくらい」と無邪気に答える、あれをやればいいのか。

「どのくらい痛いですか?」

「こーんくらい」と大きく腕を振る動作を31歳男性が真面目な顔で、初めて行った病院の窓口で行った場合、コロナとかは置いておいて違う心配をされてしまう。

 

どうすれば良いの。教えて先生!

あ、そうか先生にはこれから会うのか、とか言ってる場合か。

そうじゃない。

 

「スゴク、イタイデス」

そう私は囁いた。

 

「ではお掛けになってお待ちください。」

無機質なバインダーに負けないくらい無機質な声で看護婦さんは答えた。

 

 

 

なんで聞いた!!!!

おい!!!!

 

 

とかは言わずに我慢。

10分ほどで名前を呼ばれ先生に症状を説明した。


 

すると先生は声帯の入り口を見ると言って

胃カメラの弟分とも呼べるような細いカメラを

鼻から挿入した。

 

「あーこれはひどい。

 

あーここもひどい。

 

あーこれは大変だ。」


 

鼻から細いカメラを入れられ非常に苦しい状態の中

モニターを見る先生は物騒な言葉を羅列する。

 

(え、何、何があったの。。。。)


 

そして鼻からカメラを抜き先生は説明をしてくれた。

今の世の中は便利なもので、たった今鼻に入れたカメラの映像を、すぐに私も見ることができる。

 

「まず第一に、ずーっと鼻詰まってませんでした?」先生は疑いの目を向けながら尋ねてくる。

「はい。」

「それを放っておくと本当に良くないんです。鼻の奥の空気の通り道がパンパンに腫れ上がってしまっている。この部分です、分かりますか?」

確かに分かりやすかった。腫れている感じが良く分かる。

「分かります。」

「分かりやすく言うと、鼻の奥の通り道の左右の壁が、ポパイの腕みたいに膨んでいるんです。あの、ほうれん草が好きな。」






 

「・・・・・・・」





 

先生!!

分かりにくくなってしまっています!


 

せっかく映像を見て分かりやすかったのに

ポパイが出てきて分かりにくくなっちゃってます!




 

医療の進化が分かりやすくした状況を台無しにしたことにも気づかず先生は続ける。



 

「で、この奥にある、このパクパクしているものが声帯です。」


 

これが声帯か。。。

ここから声が出るのか。。


 

紹介された彼は、自分の体内にあるなんて正直信じられないくらい少しグロテスクだった。

そして確かにパクパクしている。


 

「どうですか?腫れてるでしょ?」



 

「・・・・・・」




 

初めて見たので分かりませんけどもね!!!!

 

僕の中において声帯のスタンダードは今この瞬間からこの状態ですけどね!!!



 

そして

最後に先生は付け加える。

 

「この白いやつ何か分かりますか?」

私は首を横に振る。





 

「これは鼻くそです。」





「・・・・・」

 




で!!!!!!!!

 

「きゃあ。これが僕のそれですか。出てくる前の物は初めてです。なんか新鮮です。あ、鮮度の方じゃないですよ。」


 

って

なりませんけどもね!!!!!!!!



 

なんという病院だ。

ブログのネタに困ったら毎回ここにくれば良いじゃないか。


 

「とにかく、ずっと放置してあった慢性鼻炎のせいで、鼻の奥から喉から声帯まで全て腫れてしまったのが原因です。ストレスとかも影響するものですが、今流行の感染症ではないので安心して大丈夫ですよ。」

と言われた。


 

なんだ、一番知りたかったことまで結局教えてくれて

なんだかんだ良い先生だ。

 

というわけで私の「喉痛い痛い騒動」は

人生で初めて

まだ胎児の段階の鼻くそを見て決着致しました。

 

こんな私の騒動を心配してくださった皆様





 

大変申し訳ございませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

※もしもお食事中の方がいらっしゃったら大変申し訳ございませんでした

※点鼻薬と薬を飲んだら信じられないくらいの速度で回復しております

※コメントと「いいね」をくれた皆様を心の底から愛しています