本当であれば
替のTシャツを鞄いっぱいに詰め込んで
本当であれば
長靴と汚れても良いジーパンを履いて
本当であれば
今すぐに東北道をひた走り
本当であれば
ボランティアをしたい
それが叶わぬ状況の中で
今私は
ただただ
悶々としながら
SNSに溢れる
我が心の故郷の窮状を嘆くことしかできず
後悔をつまみに
絶望という名の酒を飲む
近づけるのに
遠くなり
超えられるのに
超えることを許されない壁を前に
もどかしさに寄りかかりながら
悲しみの座布団に座る
消えた命がないと知り
安堵に似た溜息を漏らしながら
濁流の中に生活の一部を流された皆様を考え
憂いの混じった溜息を漏らす
「山形人は必ず元の生活を取り返す」
知ってはいるが
そこに皆様が向かう努力の過程で
給水一つ行うことを許されない状況は
骨の髄から湧き出る悔しさに飲み込まれる現状を前に
抵抗という名の希望を捨てる状況までやってきた
「命さえあればなんとかなる」
夏に咲くひまわりのように
ありふれているが
確かな気持ちの高揚をもたらしてくれるこの言葉が
我が心の故郷に届いてくれることを
心の底の
そのまた底から
強く
強く
願うことを
繰り返す
こんなウィルスが去った時に
必ず皆様のもとに行き
その時残っているお手伝いが
植木の水やりくらいだったとしても
私は
全力で水をやる
この状況でに駆けつけない
自分という存在が
もどかしい
しかし
我が心の故郷は
私なんかに助けられずとも
元の姿を取り戻す
全てが元通りになった時に
いや
全てが元以上になった時に
私は
それまでの労をねぎらう皆様の乾杯に
しれっと参加しようと思う
その時までは
無宗教な私が祈りを繰り返す
この度の豪雨被害に遭われた皆様の一日でも早い生活の再建を祈ります
懸命に救助活動に当られた方々への感謝を伝えます
県内で働く報道関係者の方々の安全な取材環境を祈ります
そして
立ち上がる山形を支える全ての皆様に敬意を払います
今こそ言うべきだから
声を大にして
盛り上げよう、山形を
盛り上がろう、山形よ
山形は何度でも立ち上がる